駅の高架化計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 15:27 UTC 版)
沼津市が進める「沼津駅周辺総合整備事業」の中核事業として、沼津駅の高架駅化が計画されている。静岡県が事業主体となり、1991年(平成3年)11月から基本構想の策定に着手、2006年(平成18年)11月に高架事業の認可を取得した。 計画案によれば、沼津駅の高架駅化、東海道本線の大岡団地付近 - 小諏訪付近約3.7kmと御殿場線の大岡団地付近 - 沼津駅付近約1.6kmの高架化が実施され、それによって13か所の踏切が撤去される。駅に併設されている貨物駅と車両基地は、沼津市原地区(原駅 - 東田子の浦駅間)、沼津市片浜地区(沼津駅 - 片浜駅間)にそれぞれ移設される。新貨物駅には着発線荷役方式(E&S方式)が採用される予定である。 高架化された沼津駅は、高架上にホーム、高架下に駅事務所・改札口・南北自由通路などが配置される予定である。ホームは地上駅時代と同じ島式・3面6線で、北から順に東海道本線上り線、御殿場線、東海道本線下り線のホームとなる見込み。計画されている高架化の手順は以下の通りである。 貨物駅を移転させ、構内北側の貨物線などを撤去。 貨物線の跡地に高架橋を建設、東海道本線上りホームを高架に切り替え。 御殿場線のホームを、旧・東海道本線上りホーム(現在の3・4番線)に仮移設。御殿場線ホーム(現在の5・6番線)を撤去。 旧・御殿場線ホームの跡地に高架橋を建設、御殿場線ホームを高架に切り替え。御殿場線仮ホームの一部を撤去。この時点では地上に2面3線、高架上に2面4線のホームができる。 旧・御殿場線仮ホームの跡地に高架橋を建設、東海道本線下りホームを高架に切り替え。東海道本線下りホーム(現在の1・2番線)と残りの御殿場線仮ホームを撤去。 沼津駅周辺総合整備事業では、高架化にあわせた道路整備や区画整理、再開発が計画されている。 この高架化事業は、度々沼津市市長選挙の争点となり、沼津市議会でも統一地方選挙や特別委員会の議題としても扱われる。市長のリコールを求める市民の署名運動や陳情、住民投票が展開された事も過去何度かあった。また車両基地と貨物駅の移転予定地として造成が進む沼津駅西側の沿線には「移転反対」を訴える立て看板やのぼりが車窓から散見される。ただし近年の市長選では常に推進派が勝利を収めている。 2021年2月8日、静岡県は土地の明け渡しに応じない元地権者1名に対し、行政代執行法に基づき強制収用を行うため「代執行令書」による通知を行ったと発表。2月19日、行政代執行(強制収用)を行った。 静岡県が発表した2016年度公共事業再評価調書によると、2031年度に高架橋の供用を開始する予定だった。しかし、2021年度公共事業再評価調書によれば、貨物駅移転先の用地取得に時間を要したため、2035年度に延長した。ところが、2022年度公共事業再評価において、工事費の増加を理由に2041年度に再延長した。 2021年12月22日、市は2022年1月から貨物駅の造成工事を始めると発表、1月14日に予定地で着工式が行われた。
※この「駅の高架化計画」の解説は、「沼津駅」の解説の一部です。
「駅の高架化計画」を含む「沼津駅」の記事については、「沼津駅」の概要を参照ください。
- 駅の高架化計画のページへのリンク