駅の設計と設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/02 19:18 UTC 版)
マドリード地下鉄の駅は、その設計により建設年代が分かる。狭小断面の路線にある古い駅はとてもコンパクトで、パリ地下鉄の駅にかなり似ている。駅ごとに異なる色合いのタイルで装飾されている。近年、これらの駅の大半は改装されて、単一色のプレートになっている。1970年代後半から1990年代初期に掛けて建設された駅はよりゆったりとしており、多くがクリーム色の壁になっている。 一方、最も近年に建設された駅はスペースを念頭に置いて建設されており、自然な感じの照明や余裕のある入口など世界でも最もよいと思われる。駅ごとに異なる色合いを使っており、単一色のプレートを使って明るい色で駅全体を覆っている。近年建設された乗換駅は白い壁になっているが、これが基準とされているわけではない。 ほとんどの駅には対向式のプラットホームが建設されており、少数の乗客の多い乗換駅についてはこの対向式ホームに加えて島式ホームも備えており、対向式ホームが出口専用にされている。この方式はもともとバルセロナ地下鉄で採用されたもので、スパニッシュ・ソリューション(Spanish Solution)と呼ばれている。この方式が使われている駅は以下の通りである。 2号線 クアトロ・カミーノス駅(Cuatro Caminos) 4号線 アルグエージェス駅(Argüelles) 5号線 カンパメント駅(Campamento)、カラバンチェル駅(Carabanchel) 6号線 アベニーダ・デ・アメリカ駅(Avenida de América)、マヌエル・ベセーラ駅(Manuel Becerra)、サインス・デ・バランダ駅(Sáinz de Baranda)、パシフィコ駅(Pacífico)、プラザ・エリプティカ駅(Plaza Elíptica)、オポルト駅(Oporto)、ラグーナ駅(Laguna) 7号線 アベニーダ・デ・アメリカ駅(Avenida de América)、プエブロ・ヌエボ駅(Pueblo Nuevo) 路線間で素早く乗換ができるように、対面乗り換えができる設備を備えている駅もある。この配置になっているのはプリンシペ・ピオ駅(Príncipe Pío、)とカサ・デ・カンポ駅(Casa de Campo、)である。どちらの駅でも、10号線が外側の線路を使っており、このためこの駅に到着する旅客は通常の左側のドアではなく、右側のドアを使う。 これに加えて、通常の対向式ホームではなく島式ホームだけで建設された駅もいくつかある。そうした駅は以下の通りである。 3号線 アルメンドラーレス駅(Almendrales)、ビジャベルデ・アルト駅(Villaverde Alto) 5号線 アルーチェ駅(Aluche) 8号線 カンポ・デ・ラス・ナシオネス駅(Campo De Las Naciones)、アエロプエルトT4駅(Aeropuerto T4) 9号線 リバス・ウルバニサシオネス駅(Rivas Urbanizaciones)、アルガンダ・デル・レイ駅(Arganda del Rey) 10号線 ホアキン・ビルムブラレス駅(Joaquin Vilumbrales) もう1つの方式としては、1つの島式ホームと1つの対向式ホームを備えているものがある。この方式は7号線、9号線、10号線の、マドリード郊外の町、たとえばアルコベンデス(Alcobendes)やコスラダ(Coslada)などの町へ旅行を続けるために小型の列車に乗り換えなければいけない駅で用いられている。こうした配置は、島式ホームで列車間を簡単に乗り換えられるようにする一方で、将来その先の駅へフル規格での営業が開始された時には対向式ホームを使うようにすることで、駅の配置が地下鉄網全体のものと同じになるようにして、乗客が出口のドアを間違えないようにするために準備されているものである。そうした駅は以下の通りである。 7号線 エスタディオ・オリンピコ駅(Estadio Olimpico) 9号線 プエルタ・デ・アルガンダ駅(Puerta de Arganda) 10号線 トレス・オリーボス駅(Tres Olivos) この他、ホームには電車が発車してから何分が経過したかをカウントする設備もある。これによって利用者は、あとは今が何分間隔で電車が運行されている時間帯かを時刻表で確認すれば、次の電車が何分後に来るかを知ることができる。
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