養賢堂の拡充から廃止までとは? わかりやすく解説

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養賢堂の拡充から廃止まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/30 01:08 UTC 版)

養賢堂 (仙台藩)」の記事における「養賢堂の拡充から廃止まで」の解説

1780年安永9年)になると、当時奉行職にあった芝多信憲私財によって養賢堂学寮と書庫が増設され、書庫には数千冊の蔵書収められた。しかし、重村によって改革され加えて施設充実した養賢堂だったが、それでもなお出席者の数は悪かった17世紀後半には林子平3度渡って養賢堂学制改革建言及んだが、藩はこれを採用しなかった。子平は、養賢堂とは名ばかりであると批判していた。この後18世紀に入ると、学頭御用となった大槻平泉藩主の命を受けて学制改革乗り出した平泉改革で、まず1811年文化8年)に新田開発1万2000石の学田造られ、この収入養賢堂運営費となったその後養賢堂周辺敷地召し上げられ養賢堂敷地となり、講堂などの施設拡充していった講堂1816年文化13年)から建設され1817年文化14年)に完成した同じく1817年文化14年)には医学校独自の学舎完成した施設整備この後続けて行われ学頭居宅学校役人詰め所馬場文庫米蔵剣槍術所、孔子をまつる霊廟などが造られた。 学頭御用として就任した平泉はまもなく正式に学頭となった平泉学頭務めていた頃の養賢堂では、学科増設何度か行われた。1811年文化8年)に書学、算法、礼方の3学科増設された。当時算術町人百姓用い卑しい技と見なされており、この算法学科設置珍しい例であるとされる。翌1812年文化9年)には兵学槍術剣術学科加わった平泉次の学頭大槻習斎の時代になると、養賢堂漢学国学、書学、算法、礼方、兵学蘭学洋学剣術槍術柔術、楽の12学科を持つに至った養賢堂規則では、文武両道学習基本方針とされていたが、学生希望によっては一科専修認められていた。入学8歳以上が対象だった。素読試験には17歳までに合格せねばならないとされ、3回不合格退校する決まりがあった。幕末の頃には、通学生寄宿生あわせて1日1000人が養賢堂学んでいたという。 戊辰戦争の際には、養賢堂政府軍宿舎となった。そのため、教育機関として機能北一番丁に移った1869年明治2年)に養賢堂は元の場所へ戻り、知学局と改称したが、さらに後に名称が養賢堂へと再び戻った廃藩置県によって仙台県成立すると、養賢堂建物仙台県庁舎(後に宮城県庁舎)となり、教育機関として養賢堂はその中の習字所を学校とした。1872年明治5年)に学制制定される教育機関として養賢堂廃止され仙台には2校の官立中学校設置された。養賢堂建物その後残っていたが、第二次世界大戦中仙台空襲の際に焼失した養賢堂豊富な蔵書備えていた。1835年天保6年時の調査によると、この時の養賢堂には1万7183冊の書物があった。明治維新戦乱の中で、これらの書物多く失われたが、残ったもの宮城書籍館寄贈された。第二次大戦中には愛子芋沢農家書籍疎開決定し、特に貴重とされた和算書などが選定されていた。しかし、選定され書籍の9割は、仙台空襲まで搬出に間に合わず助かったのは約1800冊にとどまった残った本は終戦後宮城書籍館後進である宮城県図書館に「養賢堂文庫」として所蔵されている。

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