開業から現在まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 06:36 UTC 版)
近代設備が整った豪華絢爛なホテルは、景勝雲仙の恵まれた自然に囲まれ内外の評価も高まり、多くの賓客を迎えた。その中で、ハンガリー文化使節団メゼイ博士は雲仙の絶景とホテルを絶賛したという。「雲仙の自然は実に素晴しい。南欧チロルの山の美にリビアの海の美を加えたようなものだ。崇高な世界美というものは、東洋的美と西洋的美が一体となったものだと思うが、雲仙でこれを発見することができた。東洋的であり、西洋的であり、しかも何ら不自然さがない。(1938年2月27日・大阪朝日新聞所蔵)」との言葉を残している。 しかしホテルの安らぎは長くは続かなかった。戦争へ突入した日本で、軍の徴用施設となった雲仙観光ホテルは、戦後引き続き駐留米軍に接収され休暇ホテルとして使用された。1950年(昭和25年)に接収が解除され、営業を再開。同年、国際観光整備法に基づき、政府登録ホテル(政府登録国際観光旅館)に登録された。(第ホ29号) 1954年(昭和29年)3月には映画化された全国的な人気ラジオドラマ「君の名は」―第3部雲仙―」の舞台にもなっている。また、1961年(昭和36年)4月24日より3日間、長崎県を訪問した昭和天皇・香淳皇后夫妻を迎えた。1979年(昭和54年)、日本建築学会より近代日本の名建築に選ばれ、建築は建てられた時代を象徴する総合芸術であると共に、歴史を伝えるモニュメントでもあるとの評価を受けている。 2003年(平成15年)、国の登録有形文化財となったのを機に、「新しくノスタルジア」というコンセプトのもと、大リニューアルを行っている。開業当時のホテルの姿に戻すべく、客室の全面リニューアルと浴場やダイニング、廊下を改修。開業時あった図書室・撞球室、映写室を再現した。 2007年(平成19年)11月には、経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されている。
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