長谷川一夫による解説とは? わかりやすく解説

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長谷川一夫による解説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/22 22:03 UTC 版)

稚児の剣法」の記事における「長谷川一夫による解説」の解説

主役長谷川監督犬塚キャメラマン円谷は、本作で「新人三人組」と呼ばれた。「夢の場」などでは、特殊技術凝っていた円谷長谷川に「ここに人がいるような顔をして切ってくれ」と指示して何もない空間切らせタイム計算し次に切られる人物をはめ込んでいった。当時キャメラ手廻し式で、当時すばらしく新しい試みだったといい、そういうこと最初に教えてくれ、そして自分覚えていったのが円谷だったという。 本作ロケ宇治から始まった大・小道具の係は皆、「衣笠映画聯盟」のシンボルマークであるフクロウ描いた半纏を着、銀紙貼っ照明の裏にもフクロウの絵がついていた。このフクロウの絵は、少人数だった衣笠映画聯盟夜間撮影連続だったことにちなんでいる。 長谷川は、犬塚演技註文原文ママ)と円谷キャメラ中での動き註文、そのの中で今まで勉強してきたものをどう生かすかに全力集中したといい、また撮影スケジュール最初から無我夢中でやるよりほかはないという強行軍で、当時時代劇では1/10ほどチャンバラ入れなければ客が承知せず、その撮影かなりの時間割いたという。 また長谷川は、治郎一座習った歌舞伎殺陣よりもリアル動き速い映画チャンバラに「ビックリした」といい、芝居の間とは違う、フィルム回転数の間があるときびしく言われ監督イメージにするため懸命だった語っている。 本作は三週間完成し長谷川犬塚完成試写見たがったが、考え間もなくお嬢吉三』の撮影入ったこのため第一回作品評価受けないまま過ごさなければならないのは大変不安だったという。 松竹では新人林長二郎を、初めての犬塚稔監督で出すより、衣笠監督の『お嬢吉三』でのデビュー考えていたが、「花の三月は『稚児の剣法』で出した方が良いではないか」との意見変わってきたため、大阪本社での試写急に決まったその日長谷川撮影所食堂好物白玉汁粉食べていると食堂の前を犬塚大きな荷物を重たそうに運んで通っていく。長谷川が「先生、どないしやはったんどす、えらい大きな荷物どすな」と声をかけると、「君が命をかけてとったフィルム(『稚児の剣法』)だよ」と答え、今から大阪本社持って行くところだという。「それやったら私も見とうおます。一緒に連れて行っとくなはれ」「ああいいとも」と、長谷川片方フィルムカバン持って犬塚本社向かった長谷川は「現在では考えられないほど悠長な時代だった」と振り返っている。 大阪南区久左衛門町松竹本社試写室では封切館店主支配人大勢待受けており、やがて試写始まったドキドキ心臓脈打ち恥ずかし気持ちでいるうちにアッという間一時間余り過ぎていった。試写終わったとき、長谷川は表に飛び出してしまい、追いかけてきた犬塚から「長さん(長は長二郎の長)、成功だったよ、大変な評判だよ、『稚児の剣法』を先に封切るそうだ」と聞かされてはじめ我に返ったという。長谷川は思わず犬塚の手握り、また犬塚も「おめでとう」と手を握り返してくれた。 犬塚は「お祝い乾杯したい」と言い出し下戸長谷川付き合うことにした。犬塚は「テヘラ亭も呼ぼうと言い出した。この「テヘラ亭」とは円谷のことで、「一杯ひっかけるとテヘラテヘラと笑うことからついたニックネームだった。「当時道頓堀赤い灯青い灯カフェー全盛期で、三人紅灯の巷一夜送ったものです」。

※この「長谷川一夫による解説」の解説は、「稚児の剣法」の解説の一部です。
「長谷川一夫による解説」を含む「稚児の剣法」の記事については、「稚児の剣法」の概要を参照ください。

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