量子干渉とは? わかりやすく解説

量子干渉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 08:08 UTC 版)

干渉 (物理学)」の記事における「量子干渉」の解説

二重スリット実験」も参照 ある系の状態ψは、ある完全系 { | i ⟩ } {\displaystyle \{|i\rangle \}} を用意すると、 { | i ⟩ } {\displaystyle \{|i\rangle \}} の線形結合(重ね合わせ)で表せる。 | ψ ⟩ = ∑ i ψ i | i ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle =\sum _{i}\psi _{i}|i\rangle } ここで展開係数 ψ i = ⟨ i | ψ ⟩ {\displaystyle \psi _{i}=\langle i|\psi \rangle } は波動関数複素数値をもつ。 状態Ψから新しい状態Φへの遷移観測される確率は、 prob ⁡ ( ψ → φ ) = | ⟨ ψ | φ ⟩ | 2 = | ∑ i ψ i ∗ φ i | 2 = ∑ i j ψ i ∗ ψ j φ j ∗ φ i = ∑ i | ψ i | 2 | φ i | 2 +i j ; i ≠ j ψ i ∗ ψ j φ j ∗ φ i {\displaystyle {\begin{aligned}\operatorname {prob} (\psi \rightarrow \varphi )&=|\langle \psi |\varphi \rangle |^{2}=\left|\sum _{i}\psi _{i}^{*}\varphi _{i}\right|^{2}\\&=\sum _{ij}\psi _{i}^{*}\psi _{j}\varphi _{j}^{*}\varphi _{i}\\&=\sum _{i}|\psi _{i}|^{2}|\varphi _{i}|^{2}+\sum _{ij;i\neq j}\psi _{i}^{*}\psi _{j}\varphi _{j}^{*}\varphi _{i}\end{aligned}}} となる。ここで φ i = ⟨ i | φ ⟩ {\displaystyle \varphi _{i}=\langle i|\varphi \rangle } は、終状態を { | i ⟩ } {\displaystyle \{|i\rangle \}} の線形結合表した時の展開係数である。* は複素共役表し、 ψ i ∗ = ⟨ ψ | i ⟩ {\displaystyle \psi _{i}^{*}=\langle \psi |i\rangle } である。 一方、系が | ψ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle } から状態 { | i ⟩ } {\displaystyle \{|i\rangle \}} を経由して | φ ⟩ {\displaystyle |\varphi \rangle } へ古典的に遷移する系を考える。古典的に考えると、 | ψ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle } から | φ ⟩ {\displaystyle |\varphi \rangle } への遷移確率は、すべての経路遷移確率合計であると考えられるので、以下のようになる。 prob ⁡ ( ψ → φ ) = ∑ i prob ⁡ ( ψ → i → φ ) = ∑ i | ⟨ ψ | i ⟩ | 2 | ⟨ i | φ ⟩ | 2 = ∑ i | ψ i | 2 | φ i | 2 {\displaystyle {\begin{aligned}\operatorname {prob} (\psi \rightarrow \varphi )&=\sum _{i}\operatorname {prob} (\psi \rightarrow i\rightarrow \varphi )\\&=\sum _{i}|\langle \psi |i\rangle |^{2}|\langle i|\varphi \rangle |^{2}\\&=\sum _{i}|\psi _{i}|^{2}|\varphi _{i}|^{2}\end{aligned}}} 古典的遷移量子力学的遷移遷移確率は、量子力学的場合では ∑ i j ; i ≠ j ψ i ∗ ψ j φ j ∗ φ i {\displaystyle \sum _{ij;i\neq j}\psi _{i}^{*}\psi _{j}\varphi _{j}^{*}\varphi _{i}} という余分な項があるために異なっている。このような余分な項は、異なる状態 i ≠ j の重ね合わせによる干渉表し、「干渉項」や「交差項」と呼ばれる。これは量子力学特有の現象で、状態の重ね合わせでは測定値確率分布は非加算であることに起因する。つまり、純粋状態を重ねあわせても一般に混合状態にはならない。 もし中間状態 | i ⟩ {\displaystyle |i\rangle } が測定されたり、環境相互作用した場合量子デコヒーレンスによって、干渉項は消える。 表 話 編 歴 量子力学 全般序論英語版数学的定式化 背景古典力学 前期量子論 量子論 量子力学の歴史 量子力学の年表 基本概念量子状態 波動関数 重ね合わせ 不確定性原理 可観測量 相補性 二重性 不確定性 トンネル効果 排他原理 エーレンフェストの定理 量子もつれ デコヒーレンス 定式化シュレーディンガー描像 ハイゼンベルク描像 相互作用描像 波動力学 行列力学 経路積分 GNS表現 方程式シュレーディンガー方程式 ハイゼンベルク方程式 パウリ方程式 クライン=ゴルドン方程式 ディラック方程式 実験二重スリット実験 シュテルン=ゲルラッハの実験 デイヴィソン=ガーマーの実験 ベル不等式テスト英語版ポパー実験英語版シュレーディンガーの猫 爆弾検査問題英語版量子消しゴム実験英語版解釈英語版観測問題 ボーム解釈 無矛盾歴史 コペンハーゲン解釈 アンサンブル解釈英語版隠れた変数理論 多世界解釈 客観的収縮英語版量子論理 関係性量子力学 (RQM)(英語版確率過程量子化英語版交流解釈英語版人物ジョン・スチュワート・ベル デヴィッド・ボーム ニールス・ボーア マックス・ボルン サティエンドラ・ボース ルイ・ド・ブロイ ポール・ディラック ポール・エーレンフェスト ヒュー・エヴェレット3世 リチャード・P・ファインマン ヴェルナー・ハイゼンベルク パスクアル・ヨルダン ヘンリク・アンソニー・クラマース ジョン・フォン・ノイマン ヴォルフガング・パウリ マックス・プランク エルヴィン・シュレーディンガー アルノルト・ゾンマーフェルト ヴィルヘルム・ヴィーン ユージン・ウィグナー 関連項目散乱理論 相対論的量子力学 場の量子論 量子情報 量子カオス英語版量子コンピューター

※この「量子干渉」の解説は、「干渉 (物理学)」の解説の一部です。
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