ふくそ‐きょうやく【複素共役】
読み方:ふくそきょうやく
複素共役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/29 05:45 UTC 版)
数学において、複素共役(複素共軛、ふくそきょうやく、英: complex conjugate)とは、複素数の虚部を反数にした複素数をとる操作(写像)のことである。複素数 z の共役複素数を記号で z で表す[注釈 1]
注釈
出典
- ^ a b 高橋礼司「第1章「複素数」」『複素解析』東京大学出版会、1990年1月1日、5頁。ISBN 978-4130621069。の読書メモ
- ^ a b 羽鳥理「Ring homomorphisms on commutative Banach algebras(1)〔和文〕」『数理解析研究所講究録』第1137巻、京都大学数理解析研究所、2000年4月、1-8頁、CRID 1050282677151329152、hdl:2433/63807、ISSN 1880-2818。
複素共役(共役複素数)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 13:52 UTC 版)
詳細は「複素共役」を参照 複素数 a + bi に対して、虚部 b を反数にした複素数 a − bi を z の共役(きょうやく、conjugate, 本来は共軛)複素数といい、記号で z(または z*)と表す。 z = Re z − i Im z z と z を複素共役あるいは単に共役という。 複素数の共役をとる複素関数 ・ : C → C ; z ↦ z は環同型である。すなわち次が成り立つ。 z + w = z + w zw = z w 複素共役は実数を変えない: z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 複素共役変換 ・ : C → C ; z ↦ z は、C の全ての点で複素微分不可能である。 以下の性質が成り立つ。 z が実数 ⇔ z = z z が純虚数 ⇔ z = −z ≠ 0 z ± w = z ± w(複号同順) zw = z w ( z w ) ¯ = z ¯ w ¯ {\displaystyle {\overline {\left({\frac {z}{w}}\right)}}={\frac {\overline {z}}{\overline {w}}}} z n ¯ = ( z ¯ ) n {\displaystyle {\overline {z^{n}}}=\left({\overline {z}}\right)^{n}} (n は整数) z ¯ ¯ = z {\displaystyle {\overline {\overline {z}}}=z} (対合) |z| = |z| zz = |z|20 以外の複素数の逆数は、絶対値と共役で表せる: 1 z = z ¯ | z | 2 ( z ≠ 0 ) {\displaystyle {\frac {1}{z}}={\frac {\overline {z}}{|z|^{2}}}\ (z\neq 0)} z + z = 2 Re z z − z = 2i Im z 代数方程式の解について、次が成り立つ: 「実係数多項式 P(x) が虚数根 α をもつならば、α も P(x) の虚数根である」 つまり、 実係数多項式 P(x) について、P(α) = 0 ⇔ P(α) = 0 (1746年、ダランベール) このことは、複素共役変換が環準同型であることから容易に示せる。
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