定義と特徴づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 19:21 UTC 版)
複素数 z = a + bi(a, b は実数、i は虚数単位)の複素共役とは、 z ¯ = a − b i {\displaystyle {\overline {z}}=a-b\,i} を取る操作のことである。この写像を複素共役変換という。 複素共役変換は環同型写像である。すなわち、複素共役変換 ・ : C → C ; z ↦ z に対して、次が成り立つ。 ・ は全単射 z + w = z + w zw = z w さらに、複素共役は実数を保つ: z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 「自己同型」も参照 (証明) σ : C → C は環準同型写像で、実数 r に対して σ(r) = r を満たすとする。(σ(i))2 = σ(i2) = σ(−1) = −1 (σ(i) + i)(σ(i) − i) = 0 ∴ σ(i) = ±i ゆえに、複素数 z = x + yi(x, y は実数)に対して、σ(z) = σ(x + yi) = σ(x) + σ(y)σ(i) = x + y σ(i) = x ± yi σ(x + yi) = x + yi のとき、σ は恒等写像。 σ(x + yi) = x − yi のとき、σ は複素共役変換である。(証明終)
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