量子場との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 01:44 UTC 版)
場の量子論や量子多体系では、場を量子的な調和振動子に分解することがある。量子的な調和振動子の組があれば、必ずそれをボース粒子の系とみなすことができる。独立な調和振動子からなる系は、エネルギー固有値や平衡状態を議論するかぎり、化学ポテンシャル μ = 0 {\displaystyle \mu =0} の理想ボース気体と数学的に完全に等価である。 ただし全ての場が調和振動子に帰着されるわけではない。調和振動子の集まりと考えることができる場は、双曲線型の微分方程式を満たすものに限られる(詳細は非調和振動子やボゴリューボフ変換を参照)。また粒子像が描けるのは、調和振動子になるような量子場に限られる。たとえばマクスウェルの場の全体が調和振動子の集まりになるわけではなく、遠くのほうに電磁波として伝わっていく成分だけが、調和振動子になる。このとき現れる粒子像が光子である。ただし粒子の数と調和振動子の数には直接的な関係はない。粒子の数が増減すると調和振動子の状態が変化する。 量子的な調和振動子に分解するというのは、量子がもつ粒子性を振幅で解釈し、波動性を振動数で理解しようとする考え方である。この考え方をあえてフェルミ粒子にも適用すると、ボース粒子はいくらでも振幅が大きくなれるが、フェルミ粒子は振幅に制限があるためにあまり大きくなれないと考えることもできる。この量子的な調和振動子の振幅を表すのが生成消滅演算子である。
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