ボース気体
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/28 05:30 UTC 版)
物性物理学 |
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理想ボース気体(英: Bose gas)とは、古典的な理想気体に類似した量子力学的な相のこと。整数値のスピンをもつボース粒子から構成され、ボース–アインシュタイン統計に従う。ボース粒子の統計力学は、サティエンドラ・ボースが光子において開拓した。アルベルト・アインシュタインは質量を持つ粒子に対してボース統計を拡張するとともに、ボース粒子の理想気体が十分に低温で凝縮し、古典的な理想気体とは挙動が異なることを示した。この凝縮はボース=アインシュタイン凝縮と呼ばれる。
トーマス=フェルミ近似
理想ボース気体の熱力学は、グランドカノニカル分布によって計算される。ボース気体のグランドカノニカル分布関数は次のように与えられる。
この方程式は絶対零度まで解くことができる。 図1に α = 3/2 におけるこの方程式の解の結果を示す。これは箱の中のボース気体に相当し、k = εc = 1 とする。 実線は N = 10,000 の場合、点線は N = 1,000 の場合を示す。黒線は励起粒子の割合 1 − N0/N 、青線は凝縮粒子の割合 N0/N で、赤線は化学ポテンシャル μ にマイナス符号をつけたもの、緑線は z の値である。 横軸は次のように定義される正規化された温度 τ である。
理想ボース気体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:28 UTC 版)
「ボース=アインシュタイン凝縮」の記事における「理想ボース気体」の解説
「ボース気体」も参照 粒子間の相互作用がない自由ボース粒子から構成されるボース粒子の集団を、理想ボース気体と呼ぶ。熱平衡状態の理想ボース気体において、あるエネルギー状態を占有する粒子数はボース分布で与えられる。ボース分布の性質から、ある転移温度以下では巨視的な数の粒子の最低エネルギー状態への占有、すなわち、BECが生じる。この相転移は純粋に量子統計的性質のみに起因し、液化や固化のようなほかの相転移と異なり、相互作用を必要としない点に特徴がある。箱の中の一様な理想ボース気体の系や理想ボース気体が調和振動子ポテンシャルにトラップされた系では、以下のように転移温度や凝縮相の粒子数が求まる。
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