郊外生活のすすめとは? わかりやすく解説

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郊外生活のすすめ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 06:36 UTC 版)

阪神間モダニズム」の記事における「郊外生活のすすめ」の解説

阪急・阪神の両電鉄会社は、「健康に恵まれた郊外生活」、あるいは「市外居住のすすめ」というキャッチコピー掲げ住宅地開発展開する。その開発戦略のキーワードは、「緑」、「郊外」、「健康」であった。両電鉄会社謳った田園生活要素一つである「緑」とは、いうまでもなく六甲山の緑である。阪神間西部位置する六甲山は、標高932メートルの山で、地六甲山麓の南斜面形成する台地起伏富み北から南に向かって広がる雛壇型の台地は、住宅造成地適していた。緑が深く眺望優れ瀬戸内海面した温暖な気候とともに自然環境にも恵まれたこの地域は、住環境要件充分に満たしていたということがいえる。加えて六甲山から流れ出る中小河川は、阪神間における町の景観さまざまな変化与え親水空間創出している。阪急・阪神沿線流れ夙川住吉川芦屋川武庫川は、緑豊かな六甲山系背景に、美し河川景観形成し人々安らぎ与えてきた。しかし、沿線田園地帯美しい自然こそあれ、都心からは離れ居住者もまだまばらで、決し認知度が高いとはいえなかった。そこで、電鉄各社は、田園生活の素晴しさをPRするため、数々情報誌発行する。 まず、阪神電鉄は、明治41年1908年)、『市外居住のすすめ』を刊行した。この『市外居住のすすめ』の刊行後大正3年1914年)、月刊誌郊外生活』(大正3年1月大正4年11月)を発行している。これには、郊外生活の利点勿論のこと、花の育て方栽培など、今でいう、ガーデニング関連記事中心に随筆評論など掲載された。 阪急電鉄は、明治42年1909年)、住宅案内パンフレット住宅御案内 如何なる土地を選ぶべきか・如何なる家屋に住むべきか』を発行、この冒頭で、「美しき水の都は夢と消えて、空暗き煙の都に住む不幸な我が大阪市諸君よ!」と呼びかけている。公害によって生活環境悪化した大阪離れ田園での優雅健康的な生活ができる郊外居住アピールし沿線新興住宅地池田新市街」の住宅案内行ったのであるまた、大正2年1913年)には、月刊誌山容水態』が発行された。これは、池田新市街豊中新市街など、阪急電鉄開発した住宅地様子詳しく紹介した住宅情報誌であると同時に沿線の名所旧跡紹介イベント案内なども掲載され現在のタウン情報誌としての役割兼ね備えたものであったまた、阪神電鉄の『市外居住のすすめ』と同様、郊外生活への不安を解消して快適な生活期待できるよう、飲料水医療など、健康に関す記事掲載された。 「健康な田園生活」をキャッチフレーズ展開された、これらの郊外住宅地開発は、国内早い段階進められたものであり、澄んだ空気清らかな恵まれた良好な住環境創出維持することが「山容水態」の地-すなわち、阪神間イメージアップ大きく貢献したといえるまた、阪神間における郊外住宅形成が、その後東京田園調布等の高級住宅地開発にも少なからず影響及ぼしたといわれる

※この「郊外生活のすすめ」の解説は、「阪神間モダニズム」の解説の一部です。
「郊外生活のすすめ」を含む「阪神間モダニズム」の記事については、「阪神間モダニズム」の概要を参照ください。

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