辞典の誕生とは? わかりやすく解説

辞典の誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/16 03:57 UTC 版)

ヘブライ語大辞典」の記事における「辞典の誕生」の解説

幼少期イェシーバー学んでいた編纂者ベン・イェフダーは、そこでヘブライ語出会った彼の故郷であるリトアニアにおける友人たちとの会話のなかで、「同じ一つ言語を話さなければユダヤ人一つ民族になることができない」という言葉聞いた。この言葉きっかけベン・イェフダーは、イスラエルの地(国)とヘブライ語という二つの物によって、ユダヤ人は完全に一つ民族となれる、と確信するようになった。彼はこの考えを、医学勉強のためパリ留学中だった1879年ヘブライ語月刊誌夜明け』(השחר‎ , HaShachar) に寄せた論文、「重要な質問」("שאלה נכבדה‎") で表明した19世紀末においてヘブライ語は、パレスチナユダヤ人社会において書記言語としての用いられており、ヘブライ語日常話し言葉として使おう望んでいる者は誰もいなかった。それにもかかわらずベン・イェフダーは、ヘブライ語日常会話使用するための教育民衆授けることは可能であると考えていた。ベン・イェフダー唯一の気がかりは、長年話されることのなかったヘブライ語復活可能なのかということと、ヘブライ語新し時代適応させることができるか、ということであったベン・イェフダー言語専門家に、かつてそのような言語復活成功した例があったか尋ねたが、否定的な回答得ただけであった。しかし、ベン・イェフダーは「一人人間何かしら言語習得することができるのだから、一民族全体言語習得することも可能なはずである」と主張したベン・イェフダー自分自身でこの考え試みることを決心し、自らヘブライ語を話すことにした。しかし、彼はすぐに自分語彙限られていることに気づく当時にあったヘブライ語辞典調べても、19世紀末会話使用するのにふさわしいものがなかなかなかったのであるこの段階でベン・イェフダーは、実用的な単語使ってヘブライ語の本を書こうとした。最初にユダヤ教文献ミシュナー』から道具の名前を探し出して一覧にし、その際に出くわしたより使用頻度の低い単語書き加えていった。こうしてできた「本」を何と呼ぶかという問い決着をつける前にベン・イェフダー結核患い医学勉強中止してアルジェに渡る。そこでベン・イェフダー当地ユダヤ人たちとヘブライ語のみで会話行い結果彼のヘブライ語能力向上した病状回復するベン・イェフダーアルジェ離れパレスチナ移住したパレスチナへの移動中に幼馴染のデボラ・ヨナス (דבורה יונס‎) に再会し結婚する夫妻には二人の子供が生まれたが、彼らはヘブライ語教育された。ベン・イェフダーヘブライ語対す熱狂結果である。 もともとのベン・イェフダー意図は、今日知られているような辞典執筆することではなく様々な単語分類を行うことだった。ベン・イェフダー作った単語リストは、パレスチナ最初ヘブライ語新聞『ハヴァツェレット』(חבצלת‎) に掲載され、その最初の項目は、"אֶבֶן‎"(「石」の意)であった。しかし、ベン・イェフダーは、すべてのユダヤ人ヘブライ語を話すという自分の夢を実現させるには、このような単語リストでは不十分であると悟ったベン・イェフダーすべての単語の定義を決定しようとしたが、そのために必要な膨大な作業量のために断念余儀なくされ、かわりに語義について議論のある、難し単語の定義づけを行うことを決心する。 こうして始まった辞典編纂作業は、ベン・イェフダーヘブライ語復活のための熱心な活動のため中断されることがあった。例えば、ベン・イェフダーユダヤ人の家庭に対しヘブライ語日常会話使用するように説得活動多く行ったほか、自ら発行していたヘブライ語新聞『ハツヴィ』(הצבי‎) の編集活動続けていた。さらに1890年には、ヘブライ言語委員会イスラエルヘブライ語研究機関ヘブライ言語アカデミー」の前身)を設立したまた、この頃デボラ結核により亡くなっている。また、1894年人々反乱そそのかしているという濡れ衣エルサレム住人たちによって着せられオスマン帝国当局逮捕監禁されている。後に、エドマン・ジャム・ド・ロートシルト(フランスロスチャイルド家当主で、シオニズム運動支援していた)の助力釈放されるが、新聞発行禁止された。そのためこの後ベン・イェフダー辞典編纂全力傾けることができるようになったのである

※この「辞典の誕生」の解説は、「ヘブライ語大辞典」の解説の一部です。
「辞典の誕生」を含む「ヘブライ語大辞典」の記事については、「ヘブライ語大辞典」の概要を参照ください。

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