じく‐さく〔ヂク‐〕【軸索】
読み方:じくさく
⇒神経線維
軸索
神経繊維
(軸索 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/12 07:03 UTC 版)
神経繊維(しんけいせんい、医学用語としては神経線維と表記、英: nerve fiber, axon)は、神経細胞の細胞体から延びる細長い突起で、神経細胞の軸索と神経鞘を総称したものである(神経鞘を持たない場合は、軸索のみを指す)。元来は神経「繊維」と表記されており生物学用語としては現在までこの通りの表記だが、1940年代以降に医学では神経「線維」と表記されるようになっていった[1]。
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “神経繊維vs.神経線維――世界大戦下の神経戦(上) - ことばマガジン:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2023年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月1日閲覧。
軸索
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:34 UTC 版)
軸索(axon)とは、細胞体から延びている突起状の構造で、神経細胞において信号の出力を担う。神経細胞中では長さが大きく異なってくる部分であり、ヒトの場合、隣接する細胞に接続するための数ミリメートル程度のものから、脊髄中に伸びる数十センチメートルのものまである。軸索は基本的に一つの細胞体からは一本しか伸びていないが、しばしば軸索側枝(axon collateral)と呼ばれる枝分かれを形成する。 軸索は、その細長い構造を維持するために長い細胞骨格を有する。この細胞骨格は、細胞体で合成された物質を軸索の先端まで輸送するためのレールとしても振舞う。また軸索は、細胞内外のイオンの濃度勾配を利用して情報を伝達するが、そのため軸索表面には多くのイオンチャネルが存在する。軸索が細胞体から伸び始める場所は軸索小丘(axon hillock、または軸索起始部、axon initial segment)と呼ばれており、イオンチャネルが高密度で存在する。 軸索の一部には、グリア細胞が巻きついて出来た髄鞘(ミエリン)と呼ばれる構造を持つものがある。髄鞘を構成する細胞は、中枢神経系ではオリゴデンドロサイト、また末梢神経系ではシュワン細胞である。髄鞘は脂質二重層で構成された細胞膜が何重にも巻きつく形で構成されている。脂質は絶縁体の性質を持つため、髄鞘は、イオン電流の漏洩を防ぎ、電気的信号の伝導速度を上げる効果を持つ跳躍伝導にも寄与している。髄鞘のある軸索を有髄繊維、無い軸索を無髄繊維と呼ぶ。髄鞘に対して核の存在する外側の部分を神経鞘といい、髄鞘を持たない神経を無髄神経という。ここで注意したいのは無髄神経も神経鞘は持っているということである。 軸索の先端は他の細胞と接続してシナプスを形成する。軸索のシナプス結合部はやや膨大しており、これをシナプス前終末(presynaptic terminal)と呼ぶ。シナプス前終末には神経伝達物質を貯蔵しているシナプス小胞、電位依存性のカルシウムイオンチャネル、神経伝達物質を回収するためのトランスポーター、およびシナプス後細胞からのフィードバックやシナプス前抑制などの役割を受け持つ各種の受容体が存在し、これによって軸索はシナプスを通じて他の細胞に信号を伝達する。
※この「軸索」の解説は、「神経細胞」の解説の一部です。
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「軸索」の例文・使い方・用例・文例
- 軸索損傷
- 軸索の、軸索に関する、または、軸索に似ている
- いくつかの神経線維の軸索の周りでさやを形成する物質に関連するさま
- 軸索を覆う外側の膜
- 有髄軸索のミエリン鞘の小さな隙間
- 有髄神経繊維の軸索を覆う(そして絶縁する)ミエリンの層
- 短い樹枝状結晶のある、また、灰白質に分岐する長い軸索か短い軸索のどちらかがある大脳皮質のニューロン
- 神経筋連接で終わらない軸索の末端構造
- 2つのニューロン間(軸索から樹状突起)またはニューロンと筋肉間の結合部
- 大部分の中枢神経系の灰白質を形成し、神経細胞体が埋め込まれている、無髄の軸索、樹枝状結晶、およびグリアブランチの複合ネットワーク
- 神経繊維の軸索の周りにミエリン鞘を形成する白色の脂肪質の物質
- 神経細胞の軸索の末端部分
- 末梢神経系で,ニューロンの軸索の集合体
- 軸索という神経細胞の部分
- 軸索という,神経細胞から発する一本の長い突起
軸索と同じ種類の言葉
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