軸箱支持機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/29 08:12 UTC 版)
DT21以来の軸箱左右に突き出す翼形の金具を取り付け、それぞれにコイルばねを乗せて側枠からの荷重を支えるウィングばね式軸箱支持機構を採用する。 この方式は軸箱の上下動の案内にペデスタルと呼ばれる摺動面を持つガイドレールを必要とし、短周期で適切な保守を行わない場合、摺動面の摩耗で隙間が生じて高速走行時に車軸の1軸蛇行動を誘発しやすくなる、という問題を抱えている。しかし、その反面構造が単純で、しかも各社の特許に依存しない設計であるため、その製造コストが低廉となるというメリットがあり、保守上も既存のインフラで対応が可能である点で有利であった。 それゆえ、国鉄では最末期の1985年(昭和60年)に円錐積層ゴムを採用することでペデスタルを廃したDT50系台車が量産化されるまで、四半世紀の長きにわたりこの方式が標準的に採用され続けている。 また、本形式では前世代の特急・急行形電車用空気ばね台車であったDT23・DT24にはなかったオイルダンパを各軸箱に1基ずつ付加することで軸箱の鋭敏な上下動を抑止し、高速運転時の走行特性の改善を図っている。
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