軸箱組立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 10:03 UTC 版)
軸箱組立とは、軸受と車軸が収められている所であり、車体の荷重を枕ばねと台車枠から軸箱支持装置を介して受け取り、また車輪で発生した駆動力を軸箱支持装置を介して台車枠に伝え、さらに、心皿・中心ピン・枕梁(ボルスタ)・ボルスタアンカを介するかまたは牽引装置を介して車体に伝える部分である。単に軸箱とも呼ぶ。基本構成要素は軸箱体と軸受。 軸箱体:軸受を収める構造体。軸箱支持装置の構成要素であるばねやゴムが取り付く。 軸受:通常軸箱体に収められており、車体の荷重を回転する車軸に伝える重要な部分である。昔の車両は軸箱の中にオイルを満たし軸受と車軸の間に油の膜を張る方式の鞍形の平軸受が使用されていた。戦後は摩擦抵抗の少ないコロ軸受が使用さるようになり、上下方向と軸方向の荷重を受け持つ複列円錐コロ軸受が採用された。しかし軸受自体に左右の動きがまったく無いと車輪のフランジ磨耗が大きく、保守にも問題が出るので、軸方向の変位を受けるスラスト受を併用した摩擦抵抗の少ない複列円筒コロ軸受(上下荷重を受け持つ)+玉軸受(軸方向の荷重を受け持つ)が使用されている。最近では軽量化され、上下方向と軸方向の荷重を受持ち、荷重の耐圧に優れ騒音や振動が少なく小型で潤滑剤のグリースの寿命が長い、密封複列円錐コロ軸受を緩衝ゴムによる支持を組み合わせる方法が取られている。 その他:軸受の潤滑装置など。 鉄道台車の軸箱、専用の棚にパレットの上に置かれている状態で、中央に軸受(ベアリング)と車軸が入るための穴がある 鉄道車両台車に使用される最近の密封型の複列円筒コロ軸受(左側)と複列円錐コロ軸受(右側)、従来の軸受と比較してフリーメンテナンス化とランニングコストの削減を図ることができる。 鉄道車両台車の軸箱と装着された軸受(ベアリング)の実物の断面図
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