賢治以後の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 16:05 UTC 版)
宮沢賢治の作り出した「イーハトーブ」という言葉(またはその変形の言葉)は、彼の作品とともに日本では広く知られるものとなった。例えば、この言葉は以下の事物の名称で使われている。 TVイーハトーブ - 東日本放送などの東北地方のANN各局で放送されていたテレビ番組 イーハトーブ号 - 岩手県紫波郡紫波町と東京都豊島区池袋を結ぶ高速バス イーハトーブトライアル大会 - 岩手県で開かれる TL125イーハトーブ - ホンダのトライアル車 岩手銀行イーハトーヴ支店 - 岩手銀行のインターネット上の支店 イーハトーブマイル - 岩手県競馬組合による地方競馬の重賞競走(盛岡競馬場) イーハトーボの劇列車 - 井上ひさしの戯曲(1980年初演)で、宮沢賢治が主人公 岩手県を舞台やモチーフとした芸術作品のタイトルに「イーハトーブ」が使用される例も見られる。岩手県出身の作家三好京三の小説『分校日記』を映画化した『イーハトーブの赤い屋根』(熊谷勲監督)は1978年に公開された。ほかにもさだまさしが1993年に発表したアルバム『逢ひみての』には岩手を舞台にした『イーハトーヴ』が、谷山浩子が1979年に発表したアルバム『夢半球』には『イーハトーヴの魔法の歌』がそれぞれ収録されている。 岩手県奥州市出身のミュージシャン・大瀧詠一の変名の一つに「イーハトーブ田五三九」がある。岩手県釜石市出身のミュージシャン・あんべ光俊は『イーハトーブの風』という曲を作曲した他、自らのウェブサイトを「イーハトーブ・ウィンズ」と名づけている。 1993年には、スーパーファミコン用ソフト『イーハトーヴォ物語』がヘクトから発売された。この作品は、イーハトーブを訪れた主人公が住人たちと交流しながら賢治の七冊の手帳を探し求めていくという内容のアドベンチャーゲームである。賢治作品に登場した人物や動物たちがイーハトーブの住人として登場し、原作から引用されたエピソードも数多く盛り込まれている。 1996年に、賢治の生涯をモチーフとした単発のテレビアニメ『イーハトーブ幻想〜KENjIの春』が放映されている。 KONAMIの音楽ゲーム『pop'n music』では「アルビレオ」という猫のウェイターが楽曲の担当キャラクター登場しており、彼の出身地がイーハトーブである。また、担当曲の固有ジャンル名もアイディア段階では「宮沢賢治」だった。キャラクターの名前も銀河鉄道の夜からとられている。 MacOS XのFont Bookにおいて日本語フォント選択時に「イーハトーヴォ」で始まる文例が表示されるが、これは『ポラーノの広場』の一節を引用している。 2005年には賢治にゆかりのある岩手県内の5か所(2006年に1か所を追加)が「イーハトーブの風景地」として、文化財保護法に基づく国指定の名勝に指定された。 2012年、作曲家冨田勲は宮沢賢治の作品イメージに沿った『イーハトーヴ交響曲』を作曲。日本フィルハーモニー交響楽団により東京オペラシティコンサートホールで初演奏された。
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