諸国の策略とイギリス外交の不調とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 諸国の策略とイギリス外交の不調の意味・解説 

諸国の策略とイギリス外交の不調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 06:59 UTC 版)

クリミア戦争」の記事における「諸国の策略とイギリス外交の不調」の解説

1852年モンテネグロダニーロ1世英語版)は、ロシアオーストリア賛同の下に制定した新憲法オスマン帝国反対したことを理由挙兵し同年ヘルツェゴヴィナ東部発生した農民反乱支援してオスマン帝国軍攻撃し始めた地の利があるモンテネグロヘルツェゴヴィナから越境攻撃繰り返すゲリラ戦展開する一方、これに苦戦強いられたオスマン帝国側は、オメルパシャトルコ語版、英語版)によってスクタリから武器買い付けてボスニア人ムスリムに流すことによって対抗した。こうして戦況次第泥沼化ていったモンテネグロセルビアからの支援受けて善戦するも、兵力の上圧倒的に不利なため、1852年12月オスマン帝国アドリア海艦隊派遣すると、ロシアからの助言の下に和平交渉準備入り1853年1月ダニーロ1世叔父にあたるカラジョルジェ・ペトロヴィチ (Karađorđe Petrović) が使者としてサンクトペテルブルク赴いてロシアオスマン帝国との仲介依頼した一方で戦線の拡大望まないオーストリアオスマン帝国との講和打診するものの、2月からの交渉においてオスマン帝国モンテネグロとの双方講和合意するには至らなかった。これに加えてアルバニアで、フランスの支援受けたオスマン帝国軍前にモンテネグロ大敗北を喫したモンテネグロこのような危機的状況陥ったことを受けて汎スラヴ主義掲げ体裁バルカン半島無視できなくなったロシアは、プロイセン仲介としてオスマン帝国使節団送って双方停戦合意させた。この時点ロシア皇帝ニコライ1世はこの問題に関してオスマン帝国対立する側に立てば必ず英国フランスとも対立することになるにせよ、オスマン帝国領分割することで妥協できる踏んでいた。この認識ロシア強気行動助長することにつながった。しかし、外相カール・ロベルト・ネッセルローデ苦言呈したように利害関係複雑化してしまっている以上、いたずらに各国疑惑を呼ぶような行為は賢明でなかった。 ニコライ1世としては、イギリスについては首相第2次ピール政権外相として穏健外交展開したロシア寄りアバディーン伯だったので、関係は悪化しないだろうと踏んでいた。一方オスマン皇帝アブデュルメジト1世第二次シリア戦争第二次エジプト・オスマン帝国戦争)で味方してくれた当時外相だったパーマストン子爵内相としてアバディーン政権閣内にいる限りイギリス援護射撃をしてくれるだろうという勝手な期待抱いていた。 アバディーン内閣連立政権であるため、首相支持する一派ロシア同情的ありながらも、クラレンドン外相パーマストン内相フランス組んでロシア対決すべしと考えていたために、外交方針定まっていなかった。本来イギリスは、ロシアオスマン帝国フランス支援)といった関係国仲裁しうる大国だったにもかかわらず閣僚間の足並み乱れから統一した外交政策がとれずにいた。さらに選挙法めぐって政権内部分裂様相きたしていたために、紛争当事国仲介役をする状態になかった。よって、ロシアオスマン帝国両方イギリス支援勝手な期待抱いたまま、紛争拡大していった。

※この「諸国の策略とイギリス外交の不調」の解説は、「クリミア戦争」の解説の一部です。
「諸国の策略とイギリス外交の不調」を含む「クリミア戦争」の記事については、「クリミア戦争」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「諸国の策略とイギリス外交の不調」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「諸国の策略とイギリス外交の不調」の関連用語

諸国の策略とイギリス外交の不調のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



諸国の策略とイギリス外交の不調のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのクリミア戦争 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS