諸国への伝播
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 16:46 UTC 版)
チベット仏教はチベット本国だけでなく、チベットからの布教により仏教を受け入れた諸民族の間で広く信仰される。チベット系民族では国連加盟国のブータンの他、インドのシッキム州、ラダック地方、アルナーチャル・プラデーシュ州のメンパ族、ネパール北部ヒマラヤ地帯のムスタン、ドルポやシェルパ族、タマン族など、またチベット系以外ではモンゴル国と中国領南モンゴル(内モンゴル自治区)のモンゴル人、ロシア連邦内のブリヤート人(モンゴル系)やカルムイク人(同)、トゥバ人(モンゴルの影響が強いテュルク系)といったモンゴル文化圏でも支配的な宗教であった。他に満州族、ナシ族、羌族などが伝統的にチベット仏教を信仰してきた。満州族から出た清朝の影響で、北京や五台山、東北部(満州)など中国北方にもチベット仏教寺院がある。また、中国においては明朝の11代皇帝である正徳帝も即位直後からチベット仏教に傾倒し、「豹房」という邪淫の寺を作ってラマ僧らと秘技に明け暮れていたとの記録がある。 モンゴルは伝統的にチベット仏教第二の中心地であるが、チベット仏教の直輸入的なものであって、地域的な特色はあっても「モンゴル仏教」として区別するほど独立的な要素は強くない。チベットにおける宗派がそのままモンゴルにも存在し、近代化以前はモンゴルからチベットへの留学が盛んに行われていた。他方、ネパールでは北部のチベット系民族にチベット仏教が信仰され、さらに近年では中央部でもチベット仏教の進出が見られるが、元来中央部のネワール族などの間にはチベット仏教とは異なる独自の大乗仏教の系譜が伝えられている。 詳細は「ネパールの仏教」を参照 タクツァン僧院(ブータン) ラダック僧院(インド) タンボチェのゴンパ(僧院)(ネパール) ガンダン寺 (モンゴル)
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