視神経炎とは? わかりやすく解説

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ししんけい‐えん【視神経炎】

読み方:ししんけいえん

視神経炎症原因はさまざまで、片側に起こることが多く眼球近く視神経乳頭炎や、遠くの球後神経炎(軸性視神経炎)などがある。視力低下視野異常・痛みなどの症状呈する


視神経炎

・視神経炎(opticneuritis)

 

視神経炎は,眼底検査視神経腫れがわかる乳頭炎と,腫れわからない球後視神経炎とに分類されますが,いずれにしても視力障害されときには失明に至ることもあります原因は,脳や脊髄いろいろな疾患隣接組織炎症アルコールシンナーなどの中毒など多くのものがあります治療は,原因対す治療が主になります

     

視神経炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 09:27 UTC 版)

視神経炎(ししんけいえん、Optic neuritis)とは視神経炎の炎症から急激な視力低下、中心暗点をきたす疾患である。特発性視神経炎を中心に述べる。

原因

特発性視神経炎

特発性視神経炎はウイルス感染、自己免疫などが関与していると考えられているが原因は不明である。

多発性硬化症や視神経脊髄炎

多発性硬化症視神経脊髄炎によって視神経炎が起こることがある。

感染

感染では梅毒、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、麻疹ウイルス、EBウイルスなどが知られている。

免疫病

免疫病としてはサルコイドーシスSLEシェーグレン症候群などが知られている。

診断

特発性視神経炎の診断はその他の疾患の除外によって行われる。原田病などのぶどう膜炎、Leber病など遺伝性疾患、前部虚血性視神経症(AION)、エタンブトールなど薬剤性疾患、シンナー、アルコール、ビタミンなど中毒性疾患、脳腫瘍など腫瘍性疾患、動脈瘤、下垂体卒中などが鑑別疾患になる。頭部MRIで脱髄疾患などを評価し、自己免疫性疾患や感染症、サルコイドーシスなどを評価し除外できれば特発性視神経炎と診断する。その他の視神経炎は臨床症状やMRIVEP、OCTなどの所見に違いがあると考えられている[1][2]。特発性視神経炎は20~50歳までの女性に多く、片眼または両眼性である。片眼性に視力低下をきたしても、視力が正常なもう片眼に視野障害などの視機能障害をきたすことが多く、基本的には両眼性の疾患である。特発性視神経炎では視力低下以外の症状として眼痛を訴えることが多い。特に眼の後ろの球後痛を訴えることが多く、眼球運動に伴う眼痛を訴える。

検査

視力、視野、眼底検査、中心フリッカー値、瞳孔反応、頭部MRIなどの検査を行う。

視覚機能検査

中心フリッカー値(CFF)

中心フリッカー値(CFF)はonとoffの不連続光のちらつきを感じなくなる頻度(周波数)を表す。正常値は35Hz以上であり視神経炎の急性期に低下する。視神経炎では視力低下など臨床症状に先立って低下し、視力回復時に遅れて改善する。

光干渉断層計(OCT)

網膜神経節細胞の軸索部位の層状構造(RNFL)の厚みを測定する。視神経炎の既往でRNFLは減少する。また多発性硬化症よりも視神経脊髄炎でRNFLの菲薄化は顕著である。

RAPD(マーカスガン瞳孔)

相対的瞳孔求心路障害でありRAPDまたはマーカスガン瞳孔という。

眼底検査

鬱血乳頭(papilledema)

頭蓋内圧亢進症で乳頭浮腫が認められるとき鬱血乳頭という。成人では盲点が拡大する程度で視力低下をきたさないことが多い。

乳頭浮腫(disk swelling)

後天的に視神経乳頭が混濁、隆起している状態をしめす。発赤は伴わないこともある。炎症、血管障害、ぶどう膜炎などでおこる。

治療

特発性視神経炎にはステロイド治療は早期に視力回復するが最終視力には効果がないとされている。ビタミン剤がしばしば併用される。しかし多発性硬化症や視神経脊髄炎、SLEによる視神経炎では免疫学的な治療が有効である。

予後

特発性視神経炎は回復傾向が強く、視力予後も10年後74%は1.0以上となる。しかし数%は0.1以下にとどまる。

関連項目

脚注

  1. ^ Lancet Neurol. 2023 Jan;22(1):89-100. PMID 36155661
  2. ^ Radiographics. 2018 Jan-Feb;38(1):169-193. PMID 29320331

参考文献


視神経炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 03:35 UTC 版)

神経眼科学」の記事における「視神経炎」の解説

詳細は「視神経炎」を参照 片眼あるいは両眼急激な視力障害視野障害発症する脱髄した視神経伝導体温上昇により一過性抑制されるため、運動入浴などの体温の上昇で視機能悪化し(Uhthoff徴候)、VEPの潜時も延長する視神経乳頭部に炎症波及していれば、軽度乳頭発赤腫脹乳頭周囲浮腫時に乳頭出血呈する乳頭炎として発症する視神経乳頭部に炎症波及してなければ初期には眼底に全く異常を認めない球後視神経炎として発症する乳頭炎では蛍光眼底造影で乳頭からの旺盛な漏出みられる。視神経炎では高率眼球運動痛が認められる。これは上方視で著明である。眼球運動総腱輪牽引され炎症起こしている視神経に力が加わるためと考えられている。視野障害中心暗点代表的であるが多様であり健側でも何らかの異常を伴うことがある赤緑色覚異常時にみられ、特に赤色彩度低下自覚する中心暗点が非常に小さいものを除きRAPDがみられ、VEP潜時も延長するMRIではSTIR法など脂肪抑制をかける方法が有効である。再発例や慢性期例では造影MRI併用する。これは視神経萎縮を伴うgliosisSTIR高信号を示すためである。多発性硬化症合併するものが有名であるが、実際に原因不明特発性多数占める。特発性視神経炎自然回復傾向強くステロイド投与回復時期早くなる15年度の最終予後では差がなかった。視神経炎からMSへの移行MRIで異常を認めるのが最大予見因子である。ステロイドパルス療法ビタミンB12製剤ATP製剤内服を行うことが多い。

※この「視神経炎」の解説は、「神経眼科学」の解説の一部です。
「視神経炎」を含む「神経眼科学」の記事については、「神経眼科学」の概要を参照ください。

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