装置および器具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 01:31 UTC 版)
酸素供給装置は、患者の吸気流量と酸素供給流量の関連から、低流量と高流量に分けられる。低流量のものは、経済的で侵襲度が低い一般的な酸素供給方法である。一方高流量のものは、酸素供給流量を患者吸気流量より高く設定するので大気の混入がなく、患者の換気状態が変化しても設定したFiO2を維持できる。 吸入器具としては、鼻腔カニューレ(nasalと通称されることが多い)、単純なフェイス・マスク、リザーバー付きのフェイス・マスク(マスクのすぐ近くに、加湿のための水バッグがついている)の3種が多用される。それぞれの器具を使用した場合の吸入酸素濃度(FiO2)は下表のとおりである。 鼻腔カニューレの場合酸素マスクの場合リザーバー付マスクの場合100%酸素流量(l/min) FiO2(%) 100%酸素流量(l/min) FiO2(%) 100%酸素流量(l/min) FiO2(%) 1 24 5 40 6 60 2 28 6 50 7 70 3 32 7 60 8 80 4 36 9 90 5 40 10 99 6 44 さらに高流量の酸素を供給する場合は、ベンチュリ―マスクやインスピロンネブライザーを用いる。ベンチュリ―マスクには、設定酸素濃度ごとにカラーコードされたダイリューター(コマ)がついていて、FiO2 24〜50 %で設定できる。インスピロンネブライザーは滅菌水ボトルで加湿した高加湿酸素を供給可能で、酸素濃度はダイヤルで調整する。
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装置および器具
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自宅・携帯用の酸素を出す装置には、以下のものがある。 酸素濃縮器 ランニングコストはほぼ電気代とレンタル料(医療費の自己負担分に応じて発生する)、酸素ボンベと比較するとランニングコストが安い。自宅では高濃度型の酸素濃縮器、外出時は携帯用酸素ボトルを使用する例が一般的。 詳細は「酸素濃縮器」を参照 携帯酸素発生器 液体酸素を少しずつ気化させることで気体の酸素を供給する。電気を使用しないため電気代がかからず、停電時にも使用が可能となる。また高濃度/高流量酸素の投与が可能となる。二種類の薬剤と水を専用のプラスティックボトルに入れて100%の酸素をおよそ10分間発生させる器具がある。近年、航空機へはテロ対策として酸素ボンベなど酸素を発生する器具類は安全確保のため手荷物として持ち込むことが出来ない。しかし、この薬剤と水を反応させる携帯用の酸素発生器は、航空機へ載せることが出来る唯一の酸素発生器で、登山や高地への旅行には高山病予防に欠かせない器具である。従来は液体酸素の移充填に技術が必要だったが、大陽日酸は簡単かつ安全に充填・操作ができる「ほたる」を開発、レンタル開始した。 液体酸素容器 一般的には液体酸素が充填されている容器を「液体酸素容器」「液酸容器」という。これは凍傷など各種の危険性が伴うため、家庭に設置する場合は許可や使用訓練が必要である。近年より簡便に使用出来るようになりライフラインに左右される事の無い事から使用例が増えつつある。自宅には液酸容器、外出時は携帯用液体酸容器に自分で充填して使用するか、携帯用酸素ボトルを使用する。電気代は電池代だけである。 携帯用酸素ボトル(酸素瓶) 外出時に使用する、気体の酸素を充填している高圧ガス容器である。空になったら専門の充填業者にて再充填して使用する。日本では酸素ボトルのことを酸素ボンベと呼ぶ場合もある。医療用のものはアルミ容器にグラスファイバーや炭素繊維等を巻きつけたもので軽く航空機への持ち込みも許可されるものが多い(届け出は必要)。なお携帯用酸素ボトルは、家庭で充填できる機器も存在する(日本では高圧ガス保安法の規定により使用出来ない)。呼吸に合わせて酸素を出したり止めたりする呼吸同調器(デマンドバルブ、サンソセーバーとも)という機器を使って使用するのが一般的である。尚、酸素を含む医療用ガスは医薬品に該当する為、医療機関を経ずに供給することは薬事法により禁止されている。アルミ製缶に酸素を充填した使い捨ての小型酸素ボンベも市販されていて、酸素バルブを接続し流量を調整して使用するが、きわめて短時間の使用しか出来ない(およそ9分)。 携帯用液体酸素容器 外出時に液体酸素を常圧で保冷して携帯するための容器である。携帯用酸素ボンベの大きさに比べて、小型かつ軽量な機種がほとんどで、携帯用酸素ボンベに比べて長時間の外出が可能である。近年その携帯性と長時間利用可能なメリットとより簡便な利用が可能になり使用する例が増えて来つつある(航空機への持ち込みは出来ない)。デメリットは、酸素を低温で液体状態にして魔法瓶のような構造の容器で保存する関係上、利用しなくても徐々に蒸発していく事で、保存しておける時間は、ヘリオスリザーバーで約57日、ヘリオスポータブルで約18時間である。 酸素発生器・酸素缶(酸素スプレー) 酸素発生器は水の中にタブレットを投入し水との化学反応で酸素が発生する機器だが一度反応を始めたら止める事は出来ない上、使用可能時間も少ない、また、酸素缶は一般的に用いられているスプレー缶に酸素を詰めたもので、口を覆うマスク付きの場合が多く、連続使用には不向きである。それぞれ一時的に気分が悪くなった場合などに使用するのが一般的。 いずれの容器、装置を使用する場合でも、火気厳禁(最低2 m、できれば5 m範囲)である。しかし、煙草や蚊取り線香、石油ストーブや電気ストーブ等による火災事故が後を絶たない。
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