経済の多様化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:14 UTC 版)
「アラブ首長国連邦の経済」の記事における「経済の多様化」の解説
アラブ世界において、UAEはエジプト、モロッコに次いで、石油以外の産業のGDP構成比率が高く、GDPにおいて石油・天然ガスが占める割合は38%に過ぎない。 2007年にはUAEは1日あたり約294.8万バレルの石油を産出した(世界第8位)。内訳として約85%がアブダビ、次いでシャールジャ、ドバイ、残りの4首長国である。ドバイは10年以内に、シャールジャはドバイより短い期間で石油が枯渇すると予測されている。シャールジャは石油以外にも天然ガスを産出する一方、ドバイ・アルミニウム(Dubai Aluminium Company Limited、DUBAL、)がドバイの残り少ない石油を使用している。ドバイ・アルミニウムは世界有数のアルミ精錬会社の一つであり、アルミニウムの生産において石油の供給を受けていることから、1トン当たりの生産コストがとても低い。尚、UAEは2008年にアルミ新地金生産国で第10位の892千トンを生産した。 2009年には、旺盛な電力需要に対応するためアブダビ西方にバラカ原子力発電所の建設を決定。2020年までに140万kw4基の原子炉による発電を実現させるため、建設が進められている。 近年になり、ドバイは石油枯渇のこともあり、石油以外の収入源を獲得しようと模索している。ムハンマド・ビン=ラーシド・アール=マクトゥームは皇太子時代より観光業と金融業を誘致した結果、観光業と金融業が新たなセクターとして発達しつつある。この経済政策を踏まえ、ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター(Dubai International Financial CentreDIFC)が設立された。DIFCは外国人が経営権の55%を所有し、源泉徴収がなく、土地やオフィスの保有が自由であることを提示し、ニューヨークやロンドン、チューリッヒ、香港、シンガポールといった金融先進地域でベストプラクティスとされた金融規制を適用すると発表されており、地域企業のために新しい証券取引所をDIFCに設置することが発表された。ドバイはまた、インターネットとメディアの自由貿易地域を育成している。この自由貿易地域には外国人が経営権の100%所有、優良なIT企業やメディアのために無税・オフィスの自由保有を認めることを提示している。世界の優良企業の多くが、ドバイに支店や本部を設置している。近年の不動産市場の自由化により、UAE国民でなくとも、自由に土地や不動産を保有することが可能となり、建設ブームが発生した。建設ブームにより、二つのパーム・アイランド、The World、ドバイ・マリーナ、ジュメイラ・レイク・タワーや別荘、高層のマンションやオフィスが建設されている。 世界銀行によると、UAEの証券市場に上場している企業の時価総額は2007年段階で、約2,247億ドルと推計されている。銀行部門における最良の商品は、ドバイのセレブに擬せられるTalha-Khan Aquilが代表のマシュレク・ミリオネア(MashreqMillionaire)のブランドである。この商品は国家的及び国際的な貯蓄商品として成功し、マシュレク銀行(en)のドル箱と考えられている。 ドバイ国際空港 ナド・アルシバ競馬場 パーム・ジュメイラ The World
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