スターリングとの連関性の消滅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/29 05:50 UTC 版)
「アイルランド・ポンド」の記事における「スターリングとの連関性の消滅」の解説
1970年代、欧州通貨制度が導入されたことを受けてアイルランドはこの制度に参加することを決定し、欧州為替相場メカニズムによりアイルランド・ポンドとスターリングとの等価性が消滅した。1979年3月30日まで50年以上にわたって続いた両通貨の連関性は消滅し、為替相場制が導入された。当時のアイルランドは輸出全体の50%、輸入全体の47%を対イギリスがそれぞれ占めていたが、1928年の通貨導入以後はアイルランド経済の多様化が大幅に進み、対英貿易への依存度は低くなっていた。為替相場制へ移行されるまでスターリングはアイルランド国内での多くの場面において等価で使用されていた。 1978年にはサンディフォードにカレンシー・センターが設立され、アイルランドの紙幣・硬貨は自国内で作られるようになった。カレンシー・センター設立以前の紙幣はイングランドにある専門の民間印刷業者によって印刷され、また硬貨はイギリスの王立造幣局が鋳造していた。 1986年まですべての十進法によるアイルランドの硬貨は形、大きさともにイギリスの同額面の硬貨と同じであった。ところがこの年以降は、すべての額面、新デザインの硬貨でイギリスの硬貨と大きさが異なるものとなった。新20ペンス、新1ポンド硬貨は大きさ、形、素材が従来のイギリスのものとまったく異なっていた。イギリスの新5ペンス、新10ペンス硬貨は小さくなり、アイルランドのそれぞれの硬貨も小さくなったが、アイルランドの新10ペンスはイギリスの10ペンスよりもさらに小さく、他方アイルランド新5ペンスはイギリスの5ペンスよりも若干大きいものとなった。アイルランドの新50ペンス硬貨はイギリスの50ペンスと同じく大きさが変えられることはなかった。
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