紛争の余波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:55 UTC 版)
「ロシア・ウクライナガス紛争」の記事における「紛争の余波」の解説
2006年2月、ウクライナ最高会議(議会)は、一連のガス紛争で政府の対応に問題があったとして、内閣不信任案を賛成多数で採択。オレンジ革命で誕生したユシチェンコ政権は、危機を迎えている(ちなみに、この際ユシチェンコ大統領はモスクワを訪問し、ロシアとの「新たなパートナーシップを結ぶ」事を確認している)。 2006年3月、ウクライナでは総選挙が実施され、ロシアとの関係強化を主張する野党が大幅に議席を伸ばした。また、ティモシェンコもユシチェンコ政権のロシアに対する弱腰姿勢を批判し、第二党に付けた。ユシチェンコ大統領の与党は第三位党に転落し議会内の多数派工作にも失敗し、8月にヤヌコーヴィチを首班とする内閣が成立した。連合協定の中でヤヌコーヴィチ首相は「NATO加盟は国民投票で決定する」として、ロシアに配慮する姿勢を見せている。 天然ガスの供給不安に直面した欧州連合諸国は、ガスの調達先や輸入ルートの変更、原子力発電の見直しなども視野に入れた、エネルギー政策の転換が模索され始めた。 サハリンにてロシアと天然ガス開発を進めている日本も、政治的な圧力が掛かる余地のある計画に対して、リスクの検討を余儀なくされている。 ウクライナ経由でガス供給を受けている中欧や西欧諸国は影響を被ったが、当のウクライナの市民生活には大きな影響は出なかった。これは、公式にはウクライナが天然ガス地下貯蔵庫から天然ガスをくみ出したこと、産業に利用制限を課して市民向けに優先的に回したためと説明されているが、欧州諸国向けのガスも抜き取ったためと言われている。2006年は比較的温暖なキエフですらマイナス30℃近いという異常な寒さであったこともあり各地で暖房設備が故障したが、これとガス供給の問題とに関連はない。なお、ドニプロペトロウシク、ルハンシク、ヴィーンヌィツャ、ザポリージャなど多くの都市で暖房が停止するという事態が発生した。 ウクライナへのガス供給が停止すると真っ先に深刻な影響を被るのはEU諸国であるということが判明したため、今後の各国は対応に迫られている。 ウクライナを迂回(うかい)してヨーロッパに天然ガスを供給するノルド・ストリームおよびサウス・ストリーム建設にも拍車がかかるものと見られる。 2006年1月から2月にかけて、ロシア西部の市場で塩が不足気味となり価格が高騰した。これは岩塩の輸出元であるウクライナが、天然ガス値上げの報復措置として価格をつり上げるというデマが流れたためである。
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2006年の紛争と同様、ウクライナを経由してガス供給を受けていたヨーロッパ諸国は影響を被ることになった。特にバルカン半島諸国ではこの紛争の余波が直撃する形になり、1月6日にブルガリア・ギリシャ・トルコ・マケドニアへのガス供給が全面停止した。 ロシアはバルカン半島などにガス紛争の影響を与えないようにするため、黒海海底を経由するサウス・ストリームの建設を進めている。
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