第一期作戦とは? わかりやすく解説

第一期作戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 07:36 UTC 版)

キスカ島撤退作戦」の記事における「第一期作戦」の解説

撤退作戦においては本来、ガダルカナル島撤収作戦のように駆逐艦などの高速、軽艦艇により夜陰乗じて撤退を行うのが最も効率よい方法であったが、水上艦隊による撤退作戦日本海軍消極的だった最前線での輸送撤退任務駆逐艦投入すればソロモン戦の二の舞なりかねず、またソロモン方面戦いで海軍駆逐艦かなりの数を失っており、これ以上駆逐艦損耗させることは避けたかったためである。そこで、潜水艦による守備隊への補給及び撤退作戦立案してこれを実行したアッツ島玉砕前の5月21日日本海軍日本陸軍陸海軍中央協定を結ぶ(大海指第246号)。この中で熱田島(アッツ島守備部隊好機潜水艦ニ依リ収容スルニ努ム」「鳴神島キスカ島守備部隊ハ成ルベク速ニ主トシテ潜水艦ニ依リ逐次撤収スルニ努ム 尚海霧状況敵情等ヲ見極メタル状況ニ依リ輸送船駆逐艦併用スルコトアリ」と指示した5月29日連合艦隊司令長官古賀峯一大将は電令作第580号によって機動部隊北方作戦参加とりやめ北方部隊第二基地航空部隊新編第十二航空艦隊)により陸軍協同し、「ケ」号作戦キスカ島撤退作戦)を開始するよう下令した。この中で19潜水隊伊155潜水艦北方部隊指揮下に入れた5月30日北方部隊指揮官第五艦隊司令長官)は機密北方部隊命令第12号により、「ケ」号作戦実施要領発令した参加兵力第一潜水戦隊司令官古宇田武郎少将)の潜水艦15であった特設潜水母艦平安丸座乗の古宇田司令官5月27日アッツ玉砕2日前)に横須賀出発し6月2日幌筵進出北方部隊潜水部隊指揮を執った。北方部隊潜水艦15隻(第一潜水戦隊伊9伊21伊24〉、第7潜水隊伊2伊7〉、第12潜水隊伊169伊171伊175〉、第19潜水隊伊156伊157〉、伊31伊34伊35伊36伊155)のうち伊31潜水艦消息不明であり(5月12日キスカ輸送成功帰路5月14日アッツ島近海沈没)、伊35損傷のため呉に帰投したため実際に参加した潜水艦13隻である アッツ島玉砕2日前の5月27日伊7潜水艦キスカ港に入泊して60名を収容し帰途についた。「ケ」号作戦キスカ島撤退作戦)は伊7輸送をもって事実上はじまった6月10日時点キスカ島所在人員は、陸軍2,429名(うち軍属9名)、海軍3,210名(うち軍属1,160名)、合計5,639名(うち軍属1,169名)であった当初潜水艦による撤退作戦は敵制空権下で苦労しつつ行われていたが、米軍駆逐艦パトロール艇哨戒活動開始すると、レーダー捕捉され霧中より砲撃される事例出てきた。6月11日には、伊246月13日キスカ到着予定)がPC487号により撃沈された。6月15日13日とも)、伊96月14日キスカ到着予定)は駆逐艦フレイジャー英語版)によって撃沈された。6月17日潜水部隊指揮官(古宇田司令官)は北方部隊潜水部隊電令作第45号(17日2130をもってキスカ周辺行動中の潜水艦一時待機命じた6月18日潜水部隊指揮官北方部隊潜水部隊電令作第49号(18日2325)により、伊7伊169伊36伊34によるキスカ突入命じた6月21日、第7潜水隊司令玉木留次郎大佐座乗伊7潜は駆逐艦モナハン捕捉され損傷する司令潜水艦長戦死)。応急修理努めたが翌22日に再びモナハン捕捉されキスカ島南水二子岩擱座して放棄された(30日爆破処理)。6月22日潜水部隊指揮官北方部隊潜水部隊電令作第55号21日1945)により、伊34伊169伊171幌筵帰投と、伊36自主判断命じた伊36幌筵帰投)。6月23日北方部隊指揮官第五艦隊司令長官)は潜水艦輸送作戦中止発令し、ここに第一期「ケ」号作戦終わった。 第一期作戦成果戦史叢書潜水艦史より引用括弧内は太平洋戦争海軍作戦第9巻による)撤収人員海軍308名(299名)、陸軍58名(55名)、軍属506名(466名)、計872名(820名) キスカ島揚陸物件兵器弾薬125トン糧食106トン、計231トン 上記のように潜水艦撤退輸送により、傷病兵等約800名が後送され、また弾薬125トン糧食100トン守備隊への輸送成功した。しかしレーダー始めとするアメリカ軍哨戒網は厳重であり、この作戦により潜水艦次々損傷し、また3隻(伊7伊9伊24)を喪失した潜水艦損害は、昭和天皇懸念させた。

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