移民によってもたらされた言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 16:30 UTC 版)
「スペインの言語」の記事における「移民によってもたらされた言語」の解説
「es:Inmigración en España」も参照 1990年代以降スペインに外国からの移民の大きな波が押し寄せ、いくつかの自治州においては外来言語話者の増加が目立ってきている。スペイン国立統計局の2006年の調査によれば、総人口の9.68%が外国籍で、そのうちの34.5%が中南米の旧植民地諸国からのもので、スペインの移民の言語ではカスティーリャ語が最も高い割合となっている。 カスティーリャ語に次いで多い移民の言語は以下である: アラビア語、とくにアラビア語モロッコ方言がマグリブ諸国からの移民の中で際立っている。2006年の外国人登録者のなかで、モロッコをはじめとする、アルジェリア、エジプト、シリア、レバノン、ヨルダン、チュニジア、イラクなどのアラブ諸国国籍の移民は618,332人に上る。アラブ系移民はスペイン全土でみられるが、とくにセウタ、カタルーニャ州、アンダルシーア州に多い。 ルーマニア(2006年時点で居住許可を受けているものは407,159人、上位3番目の移民集団)とモルドヴァ(11,330人)出身者のコロニーではルーマニア語が話される。とくに、マドリード州、カスティーリャ=ラ・マンチャ州、アラゴン州、ヴァレンシア州などで多い。 英語はマラガ県、アラカント県(アリカンテ県)にとくに多く、英国出身者によって話される。INEの2006年のデータでは、総計315,122に人の英国、アイルランド、米国、カナダ、オーストラリアなどの国籍保持者が居住許可を受けている。アラカント県やマラガ県の沿岸地域の多くの自治体では自治体人口の30%以上が英国人によって占められ、そこでは英語の新聞が発行されたり、英語放送を行うラジオ局もある。また、バラアース諸島州、ムルシア州、アルメリーア県などにも多い。 ドイツ語はバラアース諸島州やカナリア諸島州に多く、2006年のデータでは173,651人のドイツ、スイス、オーストリア市民が居住許可を受けている。 ベルベル諸語はスペインに居住する563,012人のモロッコ人によって話され、そのうちタリフィート語はメリージャへの移民者の間で最も話されている言語である。 ポルトガル語は、ポルトガルからの移民(とくにガリシア州とレオン県に多い)とブラジルからの移民(スペイン全土)によって話される。2006年のデータでは153,076人の両国出身者が居住許可を受けている。 スペインにおける中国出身移民の大半は浙江省出身で、彼らによって話される中国語は呉語である。2006年のデータでは104,681人の中国国籍のものが居住許可を受けている。 ブルガリア語-スペインには101,617人のブルガリア人が居住許可を受けており、彼らの大半はバリャドリッド県とセゴビア県に居住している。 スペインではフランス語は近代以降、カディス、セビリア、アラカント、バルセロナなどの街に定住したフランス人商人のコロニーを通じて、多くもたらされた。アルジェリア独立戦争後30,000人以上のピエ・ノワール(フランス系アルジェリア植民者)がスペイン、とくにアラカント県に移住した。2006年のデータによれば、90,201人のフランス国籍のもの、29,526人のベルギー国籍のもの、15,385人のスイス国籍のものが居住許可を受けている。また、フランス語を公用語、もしくは公用語ではないものの重要な言語となっている旧フランス植民地、旧ベルギー植民地であったアフリカ諸国からの移民も多い(アルジェリア、モロッコ、セネガルなど)。 ケチュア語はスペインに定住しているアンデス出身者によって話されている。 サハラ以南アフリカ諸語のうち多くみられるものは、フラニ語、ウォロフ語、マンディンカ語、ソニンケ語などである。
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