秀司の関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/28 17:15 UTC 版)
「思い出のとき修理します」の記事における「秀司の関係者」の解説
祖父 「飯田時計店」の元店主。7,8年前に亡くなった。子供のころの秀司が、「ヘアーサロン由井」の孫娘の時計を壊してしまい、直して欲しいと頼むと、「お前が壊したんだから、お前が直せ」と言い、それが秀司が時計作りに興味を持つきっかけとなった。 父 職人気質の祖父とは価値観が異なり、昔から折り合いが悪かった。時計店は継がずに、銀行員となった。 貴史 3歳違いの兄。故人。 元々時計作りに興味があったが、父にいい大学に入って一流企業に勤めるよう言い聞かされてきたし、祖父も彼が時計師になることを認めなかった。ところが、その祖父が秀司を工房に入れて時計を作らせ、父も秀司が時計師への道を進むことを反対しなかったことで、だんだんと秀司に嫉妬するようになった。そこで、秀司から大切なものを奪いたくなって、真由子とつきあうようになる。ところが、秀司は悔しがるどころかあっさり受け入れたばかりか、自分が作った時計を贈ってきた。そこで貴史は秀司の目の前でその時計を壊した。秀司は、自分が兄から憎まれていることを知り、ショックを受ける。 真由子との婚約が決まると、スイスを訪れた貴史は、秀司を誘ってドライブに出かけた。その車が事故を起こし、自身は死亡した。しかし、角膜が秀司に移植され、秀司は失明を免れた。 事故に遭う3日前、神社の絵馬に「弟が独立時計師になれますように」と書いた。兄に憎まれていたという心の傷を引きずっていた秀司は、6年後にその絵馬を見つけ、過去の傷から解放される。 真由子(まゆこ) 秀司の高校時代の同級生で、一時つきあっていた。しかし、秀司がスイスに留学してしばらくして、貴史とつきあうようになり、やがて婚約した。 貴史の7回忌が終わって、突然秀司の元を尋ねてきたが、秀司には迷惑がられる。そして、明里とも話をし、自分が何を求めて尋ねてきたのか自分でも分からないと言った。その後、やはり自分は貴史を愛していたのだということを確認し、明里に「秀司の壊れた思い出を直せるのはあなただ」と告げて帰って行った。 川添(かわぞえ) 秀司の高校時代の友人。小さい時から兄ばかりかわいがられ、自分は誤解されるばかりで、次第にぐれていった。高校時代も何かと問題を起こし、学校にもなじめず休みがちで、周囲を寄せ付けまいという気配をまとっていた。10回目の同窓会に初めて現れ、秀司と再会したが、近寄りがたい雰囲気は同じだった。 高校時代、電車で沢口菜穂子に痴漢に間違えられたが、彼女が犯人に突き飛ばされて気絶している間に、犯人を捕まえた。その際、彼女が落とした懐中時計を拾ったが、横山に「自分が返した方がいい」と無理に取り上げられる。 卒業後も誤解されることが多く、投げやりになっていたが、秀司や明里と出会い、自ら誤解を招くような生き方を改めるつもりになった。 横山 隆生(よこやま たかお) 秀司の高校時代の友人。川添とは小学校から同じで、カブスカウトでも一緒だった。川添と違って優等生で、一流企業に就職したが、同窓会では同級生を見下すところがあり、高校時代も本当に親しい友だちはいなかったと、友人たちが秀司に語った。高校時代、万引きをして川添に身代わりになってもらったことがある。 高校時代、川添が拾った菜穂子の時計を無理に取り上げ、自分が拾ったことにして返そうとした。しかし、その際に菜穂子が川添をさげすむような発言をしたことに怒り、結局時計を返さなかった。秀司が川添と再会した後、横山は秀司の元を訪れ、その時計を修理するよう依頼する。そして、それ以来行方をくらましてしまう。秀司は、横山が会社で横領を働き、全額返済したために告発はされなかったが解雇されたと聞いた。時計を秀司に預けたのは、人生をやり直すために、川添に返そうとしたからだろうと秀司は思った。
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