甲斐国への仏教伝来と古代寺院の成立とは? わかりやすく解説

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甲斐国への仏教伝来と古代寺院の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/01 09:05 UTC 版)

甲斐国の仏教」の記事における「甲斐国への仏教伝来と古代寺院の成立」の解説

日本列島には6世紀中頃仏教伝来するが、内陸部甲斐国へは国家規模寺院建立奨励され古墳時代後期7世紀後半頃に伝わりこの頃から仏教文化の影響見られる甲府盆地では盆地南部曽根丘陵地域において4世紀後半甲斐銚子塚古墳中心とするヤマト王権影響受けた前期古墳立地し5世紀には中道勢力弱体化し盆地各地古墳築造拡散し、やがて仏教文化伝来に伴い古墳築造見られなくなる。甲斐国へは朝鮮半島での百済高句麗の滅亡に際して多く渡来人移住しているが、6世紀には盆地縁地域を中心に横根桜井積石塚古墳など渡来人系の墓制である積石塚生産遺跡築いた勢力出現し仏教文化との関わり指摘されている。 甲斐国成立した7世紀には盆地東部政治的中心地となり、前期国府推定値である笛吹市春日居地域に甲斐国最古古代寺院である寺本廃寺寺本古代寺院)が出現する寺本廃寺法起寺式の伽藍配置で有力豪族氏寺であると考えられている。また、国府周辺にあたる甲府市川田町寺本廃寺へ瓦を供給した川田瓦窯跡があり、甲斐市天狗沢天狗沢瓦窯跡からも供給先不明であるものの同時期の古代瓦が出土している。 8世紀には741年天平13年)に聖武天皇国分寺国分尼寺建立の詔を下し甲斐国では笛吹市一宮地域甲斐国分寺国分尼寺建立される。『甲斐国志』や『甲斐国社記・寺記』など近世編纂された地誌によれば奈良時代創建された寺院数多くあり、山梨郡万福寺三光寺(ともに甲州市勝沼地域)、八代郡瑜伽寺笛吹市八代地域)など盆地東部国衙国府周辺地を中心に分布する中でも甲州市勝沼地域大善寺古代豪族三枝氏建立した氏寺で、柏尾山経塚から出土した平安時代康和5年1103年在銘経筒にも見られるこの頃仏教現世利益もたらす薬師如来観音菩薩への信仰が盛んであり、薬師如来本尊とする大善寺でも薬師悔過修法が行われていたという。 甲斐国初期仏教文化を示す遺物として、甲府市横根町東畑遺跡から出土した8世紀初頭の製作と考えられており県内最古仏像である金銅仏観音菩薩立像)をはじめ瑜伽寺塑像片、三光寺伝来する磬(打楽器)などのほか、甲斐市ノ尾遺跡から出土した蓮華座観音菩薩像台座考えられている。7-8世紀代の古代寺院現在のところ寺本廃寺甲斐国分寺国分尼寺のみであるが、これらの仏教遺物瓦窯跡の存在から未発見の古代寺院想定されている。

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