生徒の母親への名誉棄損事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 14:23 UTC 版)
「増田都子」の記事における「生徒の母親への名誉棄損事件」の解説
1997年7月、授業で沖縄の普天間基地問題を取り上げ、米軍を批判した。この授業には米国人を父親に持つ生徒も参加しており、ある女性教員が問題視してPTAの会合でこの生徒の母親に内容を伝えた。母親は足立区教育委員会に抗議、学校側はこれを受け、増田の偏向教育であると問題にしたが、増田は母親の密告と認識し反発。「日本国憲法主義者である私を「偏っている」と言うのは、日本国憲法を「偏っている」と言う人です」「このようなアサハカな思い上がりによる教育内容への干渉は許しません」と抗議した母親を批判し、自らを正当化する主張を記したプリントを授業の教材として配布した。 青島幸男都政下の東京都教育委員会は区教委の問い合わせに対し「偏向教育とは言えない」と回答したが、母親側は授業で配布したプリントの内容が誹謗中傷にあたるとして増田を名誉毀損で告訴、増田の属していた共産党系の全教は1998年11月20日に母親側を支持する声明を出し、「偏った教育」と増田を批判した。増田は「教育に対する不当な支配」(教育基本法第10条より)と反発し、全教を脱退して「東京都学校ユニオン」を結成、全労協に加盟した。『産経新聞』や土屋敬之ら保守的都議会議員も増田を批判し、土屋らは増田の懲戒免職を要求した。増田は減給1ヶ月の処分を受け、翌年には増田が「母親への誹謗中傷文書を学校の機材を使って印刷した」ことを理由に処分を受けている。また、処分への反論と関係者を中傷する内容の文書を所属中学校の全家庭に送付した際にPTA名簿を無断で使用している。 名誉毀損訴訟は、2000年9月28日の最高裁判所判決で確定、増田の行動は名誉毀損に当たるとされ母親側の全面勝訴。ただし、民事訴訟法上、原告が損害賠償を求める対象は増田個人ではなく東京都でなくてはならないとしており、増田個人については賠償責任は問われなかった。なお、増田はこの裁判について、産経新聞が「問題教師 すみやかに教壇から外せ」との見出しつきで論評したことに対し名誉毀損で損害賠償を求めて告訴していたが、2007年1月16日に東京高等裁判所は「記載内容は真実であり名誉毀損は成立しない」として訴えを退けた。増田は期間内に上告せず、判決は確定した。 この件についての土屋と三輪和雄の主張に、増田は名誉毀損で反訴。2003年5月30日、最高裁で増田の一部勝訴となったが、偏向教育などの批判は正当とされた。土屋敬之・古賀俊昭・田代博嗣の三都議とはこの後も激しく対立、増田は「極右三都議」「極悪三都議」「平和教育・民主教育・真っ当な性教育潰しに狂奔している」と非難している。 なお、上記の名誉棄損事件について増田は、事件の責任は女子生徒の母親と中学校長にあると主張し続けている。
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