不当な支配

新語時事用語辞典

不当な支配

読み方：ふとうなしはい

教育基本法において言及されている、教育の妨げとなる支配力の介入。国旗国歌訴訟の発端となった2003年の東京都教育委員会による日の丸・君が代通達は、不当な支配に該当するとして、訴訟が起こされている。

2006年9月の第1審では原告の主張が認められたが、2010年1月に判決が下された第2審では、都教委の日の丸・君が代通達は不当な支配に当たらないとして、原告の訴えが退けられている。

（2011年1月30日更新）

デジタル大辞泉

ふとうな‐しはい〔フタウな‐〕【不当な支配】

読み方：ふとうなしはい

特定の勢力が教育に介入し、自主的に行われるべき教育を妨げること。またその状態。教育基本法は、教育が「不当な支配に服することなく」行われるべきものであるとして、教育権の独立性を規定している。

[補説] 以前の教育基本法では、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」（第10条）と定めていたが、平成18年（2006）の改正で、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」（第16条）と改訂された。