性教育バッシングと裁判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 09:50 UTC 版)
「性的対象化」の記事における「性教育バッシングと裁判」の解説
詳細は「七生養護学校事件」を参照 2002年、東京都議会議員で自民党の古賀俊昭ら3議員が、七生養護学校の取り組みを「行きすぎた性教育」と問題にし、メディアで「過激な性教育」「まるでアダルトショップのよう」と扱われるなど、社会的なバッシングが起きた。その後、七生養護学校は授業内容の全面変更・禁止、授業は事前に副校長の許可と当日の監視のもとで実施するよう指導され、教師100名あまりは処分された。この事件で教育現場は萎縮し、日本の性教育は大きく後退した(七生養護学校事件)。 2005年3月4日の参議院予算委員会では、山谷えり子参議院議員が「ペニス、ヴァギナなどの用語を使いセックスを説明するのは過激で、とても許せない」と批判し、小泉純一郎元首相も同意した。自民党の安倍晋三を座長とした「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」が設置され、性教育は余計に性を乱すと非難した。山谷えり子は「性なんて教える必要はない」「オシベとメシベの夢のある話をしているのがいい」「結婚してから知ればいい」と主張。一部のメディアは「過激性教育」「とんでもない性教育」などと大きく取り上げ、『性教育の暴走』(ISBN 4594055206)が発売されるなど、社会的な性教育バッシングとなった。 これにより学習指導要領が変更され、科学的な知識としての「受精」は扱うが「受精に至るプロセス(=セックス・性交)」は扱わないなど、日本は性教育後進国となった。 2013年、七生養護学校の教員・保護者・関係者が人権侵害を訴えて提訴した「こころとからだの学習裁判」で、最高裁は「教育の自主性を阻害」するなどの「不当な支配」にあたると認定し、古賀俊昭をはじめとした都議側に、原告である教員らに賠償金を支払う判決を下した。
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