火星
地球に似た赤い惑星、火星には季節が見られる
火星は地球のすぐ外側をまわる惑星(わくせい)で、地球からは赤く見えます。火星の直径は地球の約半分、体積は10分の1ほど、表面の重力は地球の3分の1ほどです。火星は地球とほぼ同じ24時間37分かけて自転しながら、687日かけて太陽のまわりを公転します。また、火星の自転軸は25度ほどかたむいているため、地球と同じように四季の変化が見られます。表面には薄い大気があり、月の表面に似たクレーターもたくさん見られます。
火星の地表にある砂漠や運河、海のようす
火星を観察すると、うすいだいだい色の「砂漠」、かっ色で明るい「海」、北極や南極にあたる白いドライアイスの氷「極冠(きょくかん)」、細い黒い部分の「運河」と呼ばれる部分がわかります。「砂漠」は平らな部分、「海」はでこぼこな斜面、「運河」は地面のひだのようになっています。また、「極冠」は、北半球では冬に広がり、夏は消えてしまうことから、霜(しも)ではないかと考えられています。また、火星には二酸化炭素からなる大気や、巨大な火山もたくさんあります。
火星をまわる2つの衛星「フォボス」と「ダイモス」
火星には「フォボス」と「ダイモス」と呼ばれる2つの衛星があります。これらは、地球の衛星である月のように大きなものではありません。どちらもだ円形でフォボスは直径26km、ダイモスは直径16kmしかありません。これらは小惑星が火星にとらえられて、惑星になったものと考えられています。フォボスは約7時間40分、ダイモスは約31時間かけて火星のまわりをまわっています。フォボスの表面にはたくさんのクレーターがあることがわかっています。
地球に似た環境下でも生物は存在していない
火星は太陽系の中でも地球に似た環境をもっています。北極と南極には氷もあり、昔は海や川があったのでは、と考えられています。また、太陽系最大の火山、オリンポス山をはじめとする火山もたくさんあります。これらはすべて活動を終え、活火山はありません。表面の温度は、真夏の赤道付近でも昼は0℃、夜は-70℃、極地方では-120℃です。この温度やうすい大気があり、四季も見られることから、火星には生物がいるのではと考えられましたが、1976年にバイキング1号が着陸して調べたところ、生物はいないことがわかりました。
谷川状の地形は現在もつくられている可能性も
火星の表面に水の流れで削られたとみられる谷川状の地形が多数あることを、火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」がとらえました。マーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影した火星表面の約2万5,000枚の写真のうち、クレーターの内側などの約150地点に、地下水がしみ出して地表面を流れたとみられる数km規模の地形がみつかりました。水そのものはとらえられていませんが、地形はV字形にえぐられ、支流のような枝分かれもあるなど地球の谷川によく似ています。
これらの地形は、風化のようすや、いん石がふりそそいだりした跡がないことなどから、比較的最近できたもので、場合によっては現在も起きている可能性があると考えられています。地形の特徴から、火星にはかつて大量の水が存在したとみられていますが、現在も水があることを示唆する証拠は初めてです。
マーズ・オデッセイによる氷の発見
また、2001年に打ち上げられた火星探査機「2001マーズ・オデッセイ」は驚くべき発見をしました。火星の地下1メートルほどのところに、大量の氷を発見したというのです。この氷は、巨大な湖を火星につくることが可能なほどの量であるとのことです。もしこれが事実ならば、火星開発は大きく進展することでしょう。
火星に生命体の可能性
火星は液体の水が存在しにくい惑星です。火星の北極付近には氷がみつかっていますが、大気圧が低く、すぐに蒸発してしまうため、液体の水は存在しないとされていました。そのため、もし火星にかつて生命体がいたとしても、現在は絶滅しているとみられています。
水の存在が確認されれば地球以外の惑星では初めてのことで、火星に原始的な生物が存在する可能性も高まってきます。今回の発見は、今後の火星の生命探査実現に大きなはずみがつくと思われます。
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