演じた俳優たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 14:00 UTC 版)
「ジョン・H・ワトスン」の記事における「演じた俳優たち」の解説
ホームズ同様、ワトスンもまた多数の俳優によって演じられてきた。 特筆されるワトスン俳優として、「アメリカ最高のホームズ」と言われたベイジル・ラスボーンとコンビを組んだナイジェル・ブルースがいる。ブルースが映画やラジオで演じたのは、うっかり者で怒りっぽく大事な場面でへまばかりする、ホームズの引き立て役としてのワトスンだった。ブルースのワトソン像はファンの支持を集め、ラスボーンがアメリカ最高のホームズ俳優とされたのと同じく、ワトスン役のイコンとなった。晩年、ラスボーンからオリジナルの舞台でワトスンを演じて欲しいと要請されたブルースは大いに乗り気であったが、開幕の数週間前に病死した。 その他、エドワード・ハードウィック、アンドレ・モレル、H・マリオン・クロフォードらの評価が高い。特にハードウィックは、最高のホームズとして全世界に名を馳せたジェレミー・ブレット主演によるグラナダ・テレビ製作のテレビドラマシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』で2代目ワトスンを演じ、ナイジェル・ブルースとは全く異なるワトソン像を確立した。ハードウィックの演じたワトソンは、ドイルの原作で本来描かれていたワトスン像であった。すなわち、高潔な英国紳士にして好奇心と勇気があり、陰ながらホームズをサポートする素晴らしい相棒としてのワトスン博士である。ハードウィックの演技により、ブルースの影響による「ワトスン博士=ドジでヘマばかりする名探偵の相棒」のイメージは完全に払拭された。なお、ワトスンの負のイメージの払拭という意味では、同シリーズの初代ワトスンであったデビッド・バークも、男性的で行動力溢れる元軍医としてのワトスンを演じている。 トーキー初のホームズ映画でワトスンを演じたレジナルド・オウエンがそうだったように、ワトスンとホームズを両方演じた俳優も数名存在する。ワトスンを演じてから後にホームズに「出世」するケースが多く、逆にホームズを演じてからワトスンを演じる俳優は少ない。作品によってはワトスンが女性や少年に変更されるケースもある。 日本の声優では、富田耕生がアニメ『名探偵ホームズ』でワトスンを演じた。この作品は映画版から内容がそのままテレビ版にコンバートされる際、声優の一部が交代しているが(広川太一郎演ずるホームズもテレビ版から)、富田はそのまま続投している。表記は「ワトソン」。 2008年にガイ・リッチー監督による映画『シャーロック・ホームズ』において、ワトスン役にはジュード・ロウが抜擢された。公式の日本語表記は「ワトソン」。日本語吹き替えは劇場公開版では森川智之、テレビ朝日版では堀内賢雄が担当している。 2010年から始まったBBCのTVシリーズ『SHERLOCK(シャーロック)』では、マーティン・フリーマンが演じている。ホームズとは現代風にシャーロック、ジョンと呼び合うこともある。公式の日本語表記は「ジョン・ヘイミッシュ・ワトソン」。舞台は21世紀のイギリスに変更されているが、キングス・カレッジ・ロンドン卒でアフガン紛争(21世紀の)帰りの陸軍医、勇敢で誠実な人物、射撃の名手、友人に紹介されてホームズとルームシェアを始める、女好きなど、原作に忠実な設定も多い。一方で、足の怪我に関してはPTSDによるもので、肉体に問題があるわけではないと変更されている。またホームズと行動を共にすることが多いため、ゲイと勘違いされるシーンが何度もある。演じるフリーマンは、本作での演技により英国アカデミー賞のテレビ部門最優秀助演男優賞を受賞した。日本語吹き替えは森川智之が担当している。森川はガイ・リッチー監督の映画の吹き替え版(劇場公開版)でもワトスンを担当したため、複数の作品でワトスンを演じた珍しい声優となっている。 2011年にロシアで制作された『名探偵シャーロック・ホームズ』では、アンドレイ・パニンが演じている。この作品はホームズより15歳年上のワトスンが主人公の作品である。 2013年からCBSで始まった『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』は、舞台が21世紀のニューヨークであり、ワトスンに相当する役は「ジョーン・ワトソン」という、元外科医で薬物依存者回復支援員となった中国系アメリカ人女性という設定であり、ルーシー・リューが演じている。日本語表音及び和文表記は「ワトソン」。日本語吹き替えは田中敦子が担当している。 2014年に放送が始まった、NHKの人形劇『シャーロック ホームズ』では、オーストラリアからビートン校に転校して来た生徒という設定になっている。表記は「ジョン・H・ワトソン」で、声の出演は高木渉である。ベイカー寮221Bでホームズと同室になり、当初はホームズの行動に戸惑ったり、左脚の負傷でラグビーをやめたりしたことから自分を見失いがちになっていたが、その後ホームズを理解するようになり、退学することになった生徒を励ましたりして、自分を取り戻す。ホームズの事件解決をワトソンメモに記録し、それを元に学内の壁新聞に記事を執筆している。
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