準急の運行形態の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:51 UTC 版)
東武鉄道では、本線と東上線で性質がやや異なっている。本線では、東京メトロ半蔵門線直通列車の列車種別として主に朝ラッシュ時間帯で運転され、新越谷駅を境に都市側では急行と同じ停車駅で運行され、郊外側では各駅に停車して中距離利用者の速達性向上と輸送力確保としての立場となっている。本線には準急の派生種別である区間準急も運行されており、こちらは自社線内完結運用を原則として北千住駅 - 浅草駅も各駅に停車し、準急と同じ停車駅であっても北千住発着となる列車も区間準急として案内される。もともとは本線の中距離列車として、伊勢崎線、日光線、宇都宮線の全線にわたって運行され、東武動物公園駅 - 北千住(一部は太田駅 - 北千住駅)間で通過運転をし、それ以外を各駅に停車する列車として存在し、本線の無料優等列車として最も長い歴史があった。同列車は2006年3月18日のダイヤ改正で区間急行に名称変更されたが、準急が通過運転をする北千住駅 - 曳舟駅間を各駅に停車する一方で、準急が各駅に止まる東武動物公園駅 - 越谷駅も通過運転を実施するなど現行の準急との優劣があいまいになっている。一方で東上線では、成増駅 - 池袋駅を無停車、成増駅より先は各駅に停車することによって、郊外において各駅停車を補完する列車として存在する。 小田急電鉄小田原線の準急は、2018年3月16日までは登戸駅を境に、上りでは急行と同じ停車駅で運行し、下りでは各駅に停車する、区間急行的な種別として設定されていた(2018年3月17日以降は、急行通過駅の千歳船橋駅・祖師ヶ谷大蔵駅・狛江駅が停車駅に追加されている)。上り方面行き(東京メトロ千代田線および常磐緩行線直通と2018年3月16日までの新宿駅行き)に関しては、登戸駅以西の駅(新百合ヶ丘駅、町田駅など)では「登戸まで各駅に停まります」とアナウンスされるが、実質、登戸駅の1つ前である向ヶ丘遊園駅から急行運転とみなされており、同駅からの複々線区間では原則として、2018年3月16日までは急行線、2018年3月17日からは緩行線を走行するが通過運転を行う(反対に、下り方面では登戸駅から各駅停車同様のアナウンスに切り替わる)。2014年のダイヤ改正から2018年3月16日までは、多摩線(新百合ヶ丘駅 - 唐木田駅)でも平日朝の下り(新宿駅発、唐木田駅行き)1本のみ運行されていた。 東急電鉄田園都市線の準急は一般的な私鉄の準急とは異なり、郊外側の中央林間駅 - 長津田駅間が各駅に停車する他に都市側の渋谷駅 - 二子玉川駅間(および直通運転している東京メトロ半蔵門線内)でも各駅に停車する。2019年までは都市側のみ各駅に停車していた。これは2007年に平日朝ラッシュ時上りのみに運行することを目的として新たに設定された種別であり、朝ラッシュ時に二子玉川駅 - 渋谷駅間において各駅停車の乗客が途中の桜新町駅における急行の通過待ちを嫌って急行電車に殺到することにより混雑率の増大ならびに列車遅延が発生していたことを踏まえ、この区間を各駅に停車させこの通過待ちをなくすことで混雑率の均等化を図り、路線全体の遅延を抑制するためであった。 阪急電鉄京都線で2001年まで運転されていた茨木市駅発(土曜日は高槻市駅発)梅田駅行き準急もほぼ同様で、淡路駅までは急行(現快速急行)と同じ停車駅で運行し、淡路駅からは各駅に停車する。 阪神電気鉄道では、阪神なんば線において、直通先の近鉄奈良線で準急として運転される列車が線内でも準急として運転されているが、自社線内は各駅に停車する。2009年3月19日までは、本線で通過駅のある種別として運行されていた。本線での準急は、ラッシュ時に各駅停車用車両が不足することと、一部の駅のホームの有効長が4両分しかないなどの事情から「主にラッシュ時に運転される、6両編成の急行用車両を用いて普通を補完するための列車」という位置づけであった。前述のホーム有効長の問題と高加減速性能を有する各駅停車用車両を使用した普通列車との性能差を調整するためにごく一部の駅を通過扱いにしているだけで、2駅連続して通過する区間が皆無であった。 名古屋鉄道では路線ごとに性格が異なる。犬山線と瀬戸線のものは、他社でよく見られるような、都市部では急行停車駅に停車して郊外では各駅に停車、というようなパターンである。そのほかの路線については、名古屋本線では8駅、常滑線では2駅、急行よりも停車駅が多くなっている。また、豊川線・河和線・空港線・津島線(上りにのみ設定)・尾西線(佐屋駅 - 須ヶ口駅間の上りにのみ設定)においても準急が設定されているが、これらの路線内での停車駅は急行と同一である。 京阪電気鉄道では他の私鉄の一般的な種別立てと異なり、急行より下位、区間急行より上位という位置づけとなっている。そのためか、他の私鉄で準急に使われている英語名「Semi-exp.」は区間急行に割り当てられ、準急には一般に区間急行で使われる「Sub-exp.」の英語名が割り当てられている。
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