消費者向け遺伝子検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 10:17 UTC 版)
「23andMe」の記事における「消費者向け遺伝子検査」の解説
詳細は「遺伝子診断#消費者向け遺伝子診断」を参照 23andMeは、2007年11月に消費者向け遺伝子検査の提供を開始した。顧客は唾液検査(英語版)サンプル(部分的なSNP遺伝子多型(英語版)を含む)を提供し、結果はオンラインで発信される。2008年に23andMeにより行われていた「脱毛から盲目にいたる90以上の体質」の判定検査が、タイム誌の「今年の発明品」に選ばれた。 顧客から送られたサンプルは、研究所においてDNAが抽出され、遺伝子型が検出可能になるように遺伝子増幅(英語版)が行われる。次にDNAが小片にカットされ、表面に多量のマイクロビーズが配置されたマイクロアレイチップ(英語版)に投入される。各ビーズにはDNAプローブ(英語版)が固定されており、膨大な変異の中から検査対象のDNAに一致するようになっている。検査対象サンプルがマイクロアレイと一致した場合、ハイブリダイゼーション、または結合され、プローブに付属の蛍光ラベルによって、対象変異が顧客のゲノム中に存在するか否かが検査者によって判断可能となる。ゲノム全体で一千万から三千万程度存在する変異の内、数万の変異が検査される。これらの情報はレポートにまとめられ、パーキンソン病やセリアック病、アルツハイマー病など、特定の病気に関連する変異がゲノム中に存在するかどうかが顧客に通知される。 解析前の遺伝子データは、顧客によりダウンロード可能となり、顧客は23の染色体、またミトコンドリアDNAから任意の対象を選定し、どの塩基が遺伝子の何処に位置するかの確認や、一般的な変異との比較などを行うことができる。系統関連コンポーネントを購入した顧客は、オンラインにより、系統DNA検査の結果確認を行ったり、系図データベースを含むツールが使用可能となる。顧客はまた、ミトコンドリアDNAハプログループ(母系)、および男性または父系の血縁の場合はY染色体ハプログループの検査結果の確認が可能となる。2013年11月22日より過去に健康関連コンポーネントを購入し、健康関連の検査結果を受け取ったアメリカ合衆国の顧客は、オンラインにより、遺伝形質の評価および遺伝子疾患リスクを確認できる。2013年11月22日以降に検査を購入したアメリカ合衆国の顧客への健康関連の検査結果提供は、2015年後半まで中止された。その間、FDA監査が行われている。カナダと英国の顧客は、一部の(全てではない)健康関連検査結果にアクセス可能である。 2018年2月時点で、23andMeにより3百万以上の個人に対するジェノタイピングが行われている。しかし、FDAによる市場の規制により、顧客の増加率は減少した。 一般的には、ドナーによる懐胎から生まれた人(英語版)が生物学上の兄弟、また場合によっては、精子や卵子提供(英語版)者を見つけ出すために23andMeが使用されている。
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