水産資源の保護とは? わかりやすく解説

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水産資源の保護

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:12 UTC 版)

紀の川大堰」の記事における「水産資源の保護」の解説

紀の川大堰補償交渉において最も困難だったのは、漁業協同組合との漁業権補償交渉であった利根川河口堰利根川)や長良川河口堰長良川)、筑後大堰筑後川)などにおける河川生態系への影響論じられ長良川では長き亘る反対運動展開されていた。紀の川においても河口部豊富な水産資源有しアユ始めとする回遊魚遡上する河川であったことから漁業資源減少憂う漁業関係者1978年計画発表以降猛然と反対運動繰り広げた建設省現・国交通省)との補償交渉14年の間続けられ1992年平成4年3月妥結見た建設省1976年昭和51年)より実施計画調査一環として自然環境調査実施し、エコネットワークの確保生物多様性確保環境改変最小限留める事をとした自然環境保全計画として1991年平成3年)に『紀の川リバーグリーンベルト構想』を発表干潟浅瀬中州保全、ヨシ・ヤナギ群落保全植生復元ワンド作成水際線自然に近い形での曲線的整備行い自然に近い形での周辺整備進めこととした。この構想1996年平成8年)に正式な基本計画として発表され以後作業進められている。 同時に堰に付設する魚道整備検討された。従来単一魚道ではなく複数種類魚道建設し多種多様な水棲生物遡上できるような環境整えようとした。既設されている新六ヶ井頭首工固定堰であり、渇水時にはコンクリートむき出しとなって遡上が全く不可能となる。逆に出水時には水勢が強すぎて遡上がこれまた出来ない弊害持っていた。漁協ではアユ遡上期に堰に入り遡上するアユを網で捕獲し堰上流に放流する「すくいごし」が毎年行われていたが、全て人力であり限界があった。 紀の川大堰では3種類の魚道建設した1つ目は「階段式魚道」であり流量制御が容易で幅広い水位にも対応が可能で、かつアユ遡上実績も多いことからアユ対象全国的に採用されている。2つ目は「デニール式バーチカルスロット式魚道」と呼ばれるもので、底生魚比較急流水流を好む魚類に対応が可能でサツキマスヨシノボリなどが対象となっている。そして3つ目は様態を自然の河川限りなく近づけた「人工河川魚道」である。これは既に九頭竜川鳴鹿大堰九頭竜川)で採用されているもので、全ての魚類対応できる。またアユ産卵床としても使用期待されており、ウナギモクズガニなどが対象となる。この他魚道遡上できるように誘導する呼び水水路」も設置遡上促進流量調整図っている。 現在堰付近に資料館設置されており、魚道遡上するガラス越し観察できるコーナー設けられている。なお、資料館2011年3月まで開館されていたが、2011年4月より見学希望者のみへの対応となってしまっている。既にアユ遡上確認されているが、長期的な影響については未確認である。淀川大堰淀川)ではワンド整備したにも関わらず湛水域の拡大ヨシ群落水没イタセンパラなどの絶滅危惧種減少したという報告もあり、長期的スパン今後厳重なモニタリングが重要との指摘も多い。

※この「水産資源の保護」の解説は、「紀の川大堰」の解説の一部です。
「水産資源の保護」を含む「紀の川大堰」の記事については、「紀の川大堰」の概要を参照ください。

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