毒性中毒事例とは? わかりやすく解説

毒性・中毒事例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 14:12 UTC 版)

ジエチレングリコール」の記事における「毒性・中毒事例」の解説

ジエチレングリコールには経口摂取飲用食用)による肝、中枢神経系腎臓への毒性があり、死亡例では、下痢嘔吐続き最終的に腎不全至り死亡するケースが多い。甘味有するため不凍液誤飲や、ワインなどに添加物として混入され中毒事件引き起こすエチレングリコール同様の性質有するが、ジエチレングリコール (LDLo 1000 mg/kg)より強い急性毒性 (LDLo 710 mg/kg)を持つ一方環境中での半減期は短い。 ジエチレングリコール経口摂取飲用食用)したことによる死亡例多く1937年アメリカでサルファ薬シロップ中にジエチレングリコール混入し、子どもを中心に105人が死亡エリキシール・スルファニルアミド事件)。1985年にはオーストリアでワイン甘さを増す目的ジエチレングリコールワイン業者混入させてドイツなどに出荷日本などにも輸入され入りワイン事件として騒動となった。これがきっかけとなりオーストリアでワイン混入物対し厳しく対処するようになった2007年5月には、パナマ政府2006年中国から輸入した風邪シロップとして配布した(Azucar)は、中国業者が「グリセリン」と偽って販売したジエチレングリコール原材料含まれていたため、これを経口摂取した少なくとも100人以上が死亡した2007年7月時点パナマにおいて387人の遺族が、死亡原因がこの物質経口摂取よるもの申請している。また153人から後遺症被害報告提出されている。しかし確認され人数100人以上としか判明していない。また同様の事件ハイチでも発生している。これに対し中国国家品質監督検査検疫総局5月31日ジエチレングリコール含まれていたことを認めたが、「輸出企業として使われるという認識はなく、偽造として販売したパナマ業者責任がある」と釈明したヒト健康被害もたらすのは経口摂取飲用食用)の場合限られるが、以下に述べるように歯磨き粉回収されている。2007年6月アメリカ政府FDA)は、中国から輸入された、主にホテルなど使い捨て歯ブラシなどに付属している練り歯磨き粉にジエチレングリコール配合されていたとして、廃棄呼びかけた。これは小児肝疾患腎疾患患者などに対す慢性毒性可能性懸念して措置である。 2007年6月15日日本においても、厚生労働省が、株式会社JTB商事及び昭和刷子株式会社中国から輸入して販売している練り歯磨き粉からジエチレングリコール検出されたとして、販売元自主回収着手したことの報道発表行った。なお、回収理由は全成分表示義務違反(未表示)(薬事法61条)であり、健康被害想定したものではない。健康被害に至るジエチレングリコールの十分量摂取可能性は、乳幼児においてもおよそ考えられないためである。

※この「毒性・中毒事例」の解説は、「ジエチレングリコール」の解説の一部です。
「毒性・中毒事例」を含む「ジエチレングリコール」の記事については、「ジエチレングリコール」の概要を参照ください。

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