毒性の発見要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 15:21 UTC 版)
スギヒラタケが原因と見られる急性脳炎が2004年以降急に発見された原因について、農学博士の吹春俊光は、著書の中で2003年に公布された改正感染症法の存在を指摘している。 それによれば、当時流行していたSARSなどの新興感染症や炭疽菌などのバイオテロに対処するために感染症法が改正された際、急性脳炎が全数把握対象疾患に指定されたことにより、急性脳炎の患者が発生した場合、行政への届出(診断した医師が最寄りの保健所を通じて都道府県知事(政令市長)に届出)が必要になった。そのため、その翌年のキノコのシーズン(2004年秋)になってから、これまで食菌として著名であったために原因として全く疑われていなかった本種と急性脳炎の関連性が詳しく調べられるようになり、その結果本種の毒性が初めて明らかになったのではないか(つまり、スギヒラタケは元々毒キノコで、これまでも中毒者は出ていたが、誰もそれに気が付いていなかったとする説)という。 あわせて吹春は、スギヒラタケが突然変異したのではないかという説について、仮に本種が突然変異して毒化したとして、それが東北・北陸の広範囲で同時に起こり、さらに元々の毒をもたない本種を2003年から2004年の間に一気に駆逐したとは考えにくい、と述べている。
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