毒性を発揮するメカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 16:58 UTC 版)
「イオン液体」の記事における「毒性を発揮するメカニズム」の解説
イオン液体が細胞に対して毒性を示す主因の一つとしては、イオン液体による細胞膜の破壊が提唱されている。細胞膜破壊に大きく関わるのは、イオン液体のカチオンの正電荷とそのカチオンのアルキル鎖長である。MDシミュレーションにより、以下の分子メカニズムが提示されている。静電相互作用によって、イオン液体のカチオンが細胞膜のリン脂質のアニオン部位に引き寄せられた後、そのカチオンのアルキル鎖が細胞膜のリン脂質の疎水部と疎水性相互作用することによって膜に入り込む。最終的に、カチオンが細胞膜に蓄積することで細胞膜が破壊される。このメカニズムから、カチオンのアルキル鎖が長ければ長いほど細胞膜に蓄積されやすく、毒性を発揮しやすい。
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