歴史背景・現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 15:07 UTC 版)
1969年(昭和44年)の新全国総合開発計画(新全総)において全国新幹線網の一環として示され、田中角栄首相の主張した日本列島改造論の反映などから、1973年(昭和48年)に基本計画が決定したが、日本経済がオイルショック後に低成長に転じたことなどから、その後計画は進捗していない。 四国の鉄道は高速化が遅れており、在来線の特急では高速バスやマイカーとの差別化ができない。そのため、本州四国連絡橋や四国8の字ネットワークの整備と大幅な高速料金割引により、高速道路の交通量が増加する一方で、JR四国の競争力は低下し、運輸収入が減少の一途を辿ってきた。収益源になる大都市近郊路線や整備新幹線が四国に無いことがJR四国の経営自立を妨げている。JR旅客6社のうち新幹線の運輸収入がないのはJR四国だけとなっており、同社は新幹線の導入による鉄道の競争力回復を望んでいる。2018年度の決算で、鉄道事業営業利益は135億円の赤字(営業収益262億円-営業費用397億円)だったが、JR四国の試算によると、新幹線の開業で100億円の黒字(営業収益640億円-営業費用540億円)になり、収支改善効果は240億円以上になるという。国鉄分割民営化の時点では、経営安定基金の運用益で赤字を穴埋めしていたが、現在は低金利のため運用益も減少している。 日本が人口減少局面に入っている中で、全国に先駆けて人口減少と少子高齢化が進む四国が発展していくためには、四国内外での交流の強化・交流人口の拡大が、今まで以上に重要になってくる。北海道では、新青森駅から札幌駅までの北海道新幹線工事が2005年(平成17年)よりおこなわれ、このうち新青森駅 - 新函館北斗駅間が2016年(平成28年)3月26日に開業し、2031年度に札幌まで延伸開業する予定である。このため、北海道・本州・四国・九州の四島のうち四国が唯一新幹線が通らない地域となった。北陸新幹線、北海道新幹線、西九州新幹線、中央新幹線の建設が進められているが、四国は新幹線の空白地帯となっているため、相対的に交通利便性が低下しており、他地域との競争で大きく劣後している。高速鉄道の未整備が地域間交流の拡大を阻害しているため、四国新幹線整備促進期成会は、高速鉄道の整備が四国が自立的・持続的に発展していくための必須条件であると考え、実現を目指している。
※この「歴史背景・現状」の解説は、「四国新幹線」の解説の一部です。
「歴史背景・現状」を含む「四国新幹線」の記事については、「四国新幹線」の概要を参照ください。
- 歴史背景・現状のページへのリンク