歴史・製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/11 08:07 UTC 版)
「イギリス国鉄マーク4客車」の記事における「歴史・製造」の解説
1989年から1992年にかけて、バーミンガムにあるメトロキャメル(1989年5月に鉄道車両部門をアルストムに売却)のウォッシュウッド・ヒース工場で製造された。製造数は302両で、マーク2・マーク3と比較して少ない両数である。編成は客車9両と制御荷物車(Driving Van Trailer, DVT) 1両、91形電気機関車 (British Rail Class 91)で構成され、30編成が運用されている。 マーク3に比べいくつもの改良がなされ、特に手動ドアから押しボタン式のプラグドアに変更された事が大きい。バリアフリー対応も優先的に重視され、車椅子の回転がしやすい様デッキが拡張された。立席客の増加に対応すべく、デッキについて壁のカーペット化、照明の向上、ドアからの吹き込み改善、折畳み椅子などによる居住性改善が図られた。なお、イギリス国鉄の車両で採用されてきた、車内表示や車体表記に特徴的な鉄道アルファベット (Rail Alphabet) 字体は、本車では採用されていない。 マーク4の元となったAPT (Advanced Passenger Train、計画自体は中止) に改善点の多くが由来する。マーク4の内傾した斜体側面は、APTで不成功に終わった車体傾斜装置の将来的な設置を意図している。イギリス国鉄の当初計画ではイースト・コースト本線の電化に続きウェスト・コースト本線でもマーク4を用いる予定だったが、インターシティー250 (InterCity 250)計画の予算獲得に失敗したことから、90形電気機関車を既存の機関車の補完用に発注したに留まった。 車体はマーク3客車同様に耐衝撃性に優れたモノコック構造を採用しており、専門家によれば、ハットフィールドおよびグレートヘック (Great Heck) で死者が少なかった主な要因が一体構造の車体であると評している。 158形・159形気動車は外見こそマーク4に類似するが、車体設計では準じていない。 マーク2、3と異なり、マーク4はアイルランド鉄道では採用されなかった。2006年半ばに登場したアイルランド鉄道マーク4客車(英語版)は、スペインCAF製プッシュプル客車で、設計が異なる。 カナダのVIA鉄道では、マーク4客車の派生型を都市間列車及び寝台列車として運用している。中止されたヨーロッパでのナイトスター列車用車輌の転用であり、カナダ向け改造はボンバルディア・トランスポーテーションが担当した。
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