歴史的な船舶解体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 22:41 UTC 版)
解体が進む戦列艦HMSクイーン / 新聞『イラストレイテド・ロンドンニュース』における挿絵。 解体ヤードに移された客船オリンピック(左)とモーリタニア(右) 戦列艦テメレーア 「描かれた船舶解体」を参照のこと。船齢(艦齢)約32年で廃船・解体されている。 戦列艦HMSクイーン (1839年)(英語版) イギリス海軍の110砲搭載の1等艦にして、帆走する史上最後の戦艦であったが、1871年、ポーツマスで座礁し、ロザーハイズ(英語版)の船舶解体業者の手で解体された。船齢(艦齢)は約32年。クリミア戦争にも参加した栄光ある帆船が解体されている様子は、人気の週刊新聞『イラストレイテド・ロンドンニュース』でも大きく取り上げられ、木版画製イラストレーション付きで詳しく解説された。■右に画像あり。 客船モーリタニア(初代)、および、客船オリンピック 20世紀前期のイギリスの豪華客船であった両船は、キュナード・ライン社とホワイト・スター・ライン社を代表して競い合ったライバル船であり、両社合併に相前後して共に引退し、1935年に同じサウサンプトンの船舶解体ヤードで解体されていった。船齢は、モーリタニアが約27年、オリンピックは約24年。■右に画像あり。 大日本帝国海軍 戦艦 榛名 第二次世界大戦を戦いながら最後まで撃沈されることがなかった日本の戦艦。1945年(昭和20年)に除籍され、広島県安芸郡江田島町小用(現・江田島市江田島町小用)の沖に着底させたうえで、1946年(昭和21年)7月4日に武装解体を完了。その後、完全に解体されて戦後復興のための資材に転用された。船齢(艦齢)は約33年であった。 大日本帝国海軍 駆逐艦 雪風 → 中華民国海軍 駆逐艦 丹陽 第二次世界大戦を戦いながら最後まで撃沈されることがなかった日本の軍艦。戦後は連合国が戦利艦として接収し、中華民国海軍の駆逐艦「丹陽」として運用されたのち、1971年(昭和46年)冬に解体された。船齢(艦齢)は約32年。 自動車運搬船 麗神 日本郵船の船であり、マツダやトヨタの新車を積載した状態で1988年(昭和63年)にポルトガル沖で座礁した。環境への影響を配慮して解体するべきところ、膨大が経費が掛かることから経済面を優先してその手段を採られず、(翌年?)海没処分された。 空母クレマンソー 1957年12月進水のフランス海軍の航空母艦。解体が決まってインドのアランへ向かって航行中の2006年1月にアスベスト残留量の多さが問題視され、輸入国側のインド政府によってアランへの入港を断られた。船齢(艦齢)は2006年の時点で約48年。紆余曲折あってイギリス北東部のハートルプールの造船所で解体された2011年の時点では53年も経っていた。 クルーズ客船コスタ・コンコルディア イタリアの船。2012年1月、ティレニア海に浮かぶジリオ島の浅瀬で座礁。2014年7月にジェノバ港まで曳航された後、2017年まで掛けて解体されたが、1990年代以降次々と建造された大型クルーズ客船の中では初の解体対象となった。また、客船の解体作業としては史上最大規模となった。
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