木造一鎮倚像とは? わかりやすく解説

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木造一鎮倚像

主名称: 木造一鎮倚像
指定番号 3478
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書 像内納入木札文和三年三月、薗阿弥陀仏及び入阿弥陀仏等の記がある
員数 1躯
時代区分 南北朝
年代 1354
検索年代
解説文:  遊行六祖、一鎮(一二七八一三五五年)の肖像である。一鎮は越後生まれ嘉暦二年(一三二七)に同国曽根津で賦算開始各地布教京都・迎称寺(一条道場)や尾道西郷寺等を開いた伝えられており、藤沢清浄光寺入滅した。本像を伝え上越称念寺もやはり一鎮開山とされる
 ヒノキ材の寄木造で、頭体を別材製とする。頭部は首〓まで造り出す主材一材に面部一材を矧ぎ玉眼嵌入する。体幹部は正・背面各一材に両肩上面をなす各一材を挟み両肩外側部(各内外二材製で外材より袖後半造り出す)、両前膊(各内外三材製で最外材より袖前半造り出す)を矧ぎ両足部は上面左右二材、正面垂裳まで含み左右二材、側面同じく垂裳まで含み各一材とし垂裳後面材と合わせ箱組み式に矧ぐ両足首以下は各一材製で、それぞれの上方造り出し長い角棒を垂裳正面裏面固定する体幹部および両足部の底面それぞれ底板をはめる。表面は錆下地彩色とするが肉身の白肉色口唇わずかに遺る程度である。
 像内胸部打ち付けられ木札表面の「作薗阿弥陀佛 入阿弥陀佛」、裏面の「南無阿弥陀佛 遊行第六春秋七十七 文和三年甲午三月廿七日」という墨書により製作年代と像主が明らかであり、また像主の生前造られいわゆる寿像であることがわかる。
 一鎮の肖像としては京都長楽寺七条仏所の製作になる時宗祖師像七躯(重文)中の、建武元年一三三四)、当時五七歳の姿を幸俊(康俊)が写した一躯が知られている。これを本像と比較すると、両者顴骨の高い骨格目鼻立ち特徴がただちに同一人物首肯されるほどよく似ており、その類似発達した後頭部形状にまで及んでいる。一方で長楽寺像に比べ皮膚のたるみや皺の増した容貌には、二〇年を経た像主の外見の変化がよく表れている。その写実ふまえた堅実な作風構造技法長楽寺祖師像中の一鎮像を含む坐像四躯と共通し、本像も七条仏所属す仏師の手になるとみて差し支えないであろう
 当代時宗僧侶彫像中の基準作例であり、長楽寺一鎮像とあわせて同一像主の異な年齢時を表した寿像として貴重な一例といえる



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