朝乃山と8代高砂(元朝赤龍)の処分
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6月11日、朝乃山の処分を決める臨時理事会が開かれた。 コンプライアンス委員会の調査によると、朝乃山は外出禁止期間中の2021年1月場所前、3月場所前と同場所中、5月場所前に計10回キャバクラに通っていたという。朝乃山は、2021年1月場所と2020年11月場所前の外出禁止期間中に、計3回の会食を行ったという。キャバクラ通いが発覚し、5月場所中に行われた協会の調査に対して同行した記者と口裏合わせを行い、問題となった5月7日は外出禁止期間中でも例外として許されている整体治療に行くため神楽坂で待ち合わせをしただけ、などと虚構のストーリーを作出して報告した。さらには、携帯電話に残っていた記者らとの間のメッセージを消去するなど証拠隠蔽工作を行ったという。だが、再調査で事実を認めて以降は同委員会の調査に真摯に対応し、深く反省していることから「6場所の出場停止と50%の減給6ヶ月」という処分意見がまとめられ答申された。 理事会では答申通りの処分で決定され、今後は程度を問わず、協会に迷惑をかける行為をした場合には預かっている引退届を受理すること、また、そのことを了承する旨の誓約書を提出することの2点を条件として、引退届を未受理とした。師匠の8代高砂は20%の減給処分3ヶ月となった。 尾車コンプライアンス部長(元大関・琴風)は、朝乃山の処分が重くなった理由について、模範を示すべき立場の大関でありながらその尊厳を汚したことと、当初の調査に虚偽の説明をしたことの2点を挙げた。より重要視したのは当初の聞き取りに対し、同行した元記者と口裏を合わせて嘘をついたことで「素直に事実ですと認めていればここまでのことはなかった」と明かした。朝乃山は大関であるため『実績による』年寄名跡取得資格は持っているが、年寄を襲名するには年寄資格審査委員会の承認を得なくてはならない。『土俵態度や生活態度』も審査対象となるため、協会の看板力士であっただけに関係者が「後で事実と分かったら大変なことになる」と何度も助け舟を出したにも関わらず虚偽説明で逃げ切ろうとした朝乃山には、親方となる道は閉ざされている状況である。朝乃山は今後1年間、場所には出場しないものの地方場所には帯同するという。 朝乃山は理事会で、「大変申し訳なかったです」「日本相撲協会に迷惑をかけました」と四方に向かって詫びたという。また同日夜に東京後援会幹事長のもとに「厳粛に受け止めて出直します。再起を目指して頑張ります」と現役続行の意思を示す電話をしている。高砂部屋は公式サイトに謝罪文を掲載した。 朝乃山と似たような問題を起こして、2020年7月場所を途中休場となった阿炎も『3場所出場停止・5ヵ月50%の減俸処分』の厳罰を受けており、横綱候補として大きな期待を受けてきた大関でもある朝乃山には、さらなる厳罰が取り沙汰された。コンプライアンス委員会が「複数場所の出場停止」と処分意見をまとめた段階で大関陥落は不可避となったため、大関昇進から7場所(2020年5月場所は中止のため数えない。)での陥落となり、増位山(二代目)、栃ノ心と並ぶ歴代ワースト2位の短命大関となった。なお、2021年9月場所の番付発表前日までは大関の地位でいられる。理事会が決定した6場所出場停止により、大関陥落どころかその大関経験者としては第73代横綱に昇進した照ノ富士に次いで史上2人目となる幕下以下(三段目)の地位に陥落することとなった。ちなみに三段目の地位へ陥落に至るまでの番付推移は、下記の通りである。 2021年7月場所 - 西大関2枚目 同年9月場所 - 東関脇2枚目 同年11月場所 - 西前頭10枚目 2022年1月場所 - 東十両4枚目 同年3月場所 - 西幕下2枚目 同年5月場所 - 西幕下42枚目 同年7月場所 - 三段目(予定)
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