昼間波の発見と平面型ビームアンテナとは? わかりやすく解説

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昼間波の発見と平面型ビームアンテナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 05:54 UTC 版)

グリエルモ・マルコーニ」の記事における「昼間波の発見と平面型ビームアンテナ」の解説

1924年7月28日マルコーニ無線電信会社英国郵政庁GPOより4つ官営公衆回線建設受注することに成功した当時夜間にのみ電波ケネリー=ヘビサイド層電離層)に反射され遠距離にまで届くことは、中波ラジオ放送普及により一般人さえもが経験している「常識」であり、これを疑うものは誰ひとりいなかった。しかしマルコーニ無線による遠距離通信夜間限られることを強く憂えていたのである一般電報取り扱う「公衆通信サービス」において、24時間通信可能な海底ケーブルに対して無線夜になるまで遠距離電報送受できないからだ。 そこで1924年8月マルコーニ昼間遠距離通信可能な昼間波」を探すためにエレットラ号で航海出た母国イタリアナポリ拠点とし、シチリア島メッシーナギリシャクレタ島経由して地中海東端であるベイルート向かったマルコーニはポルドゥー2YTの送信波長を92m(周波数3.26MHz)、60m(周波数5MHz)、47m(周波数6.4MHz)、32m(周波数9.4MHz)へと切り替えさせながら観測繰り返していたが、ついに3,800km離れたベイルートにおいて波長32m(周波数9.4MHz)が24時間受信できた。「昼間波」を発見したかもしれないマルコーニ英国急いで戻り昼間波」の存在実証する大規模テスト準備はじめた1924年10月、2YTから発射され波長32mの信号北米モントリオールニューヨーク南米リオデジャネイロブエノスアイレス南アフリカケープタウンインドボンベイカラチオーストラリアシドニー昼間受信された。1924年12月11日マルコーニロンドン王立技芸協会Royal Society of Arts)で、「昼間波」を求めてエレットラ号でベイルートまで航海し、それを発見したことや、10月実施した世界的規模検証実験成果発表した。特に地球の裏側シドニーにて23.5時間/日も受信できたことは、全世界公衆通信関係者大きな衝撃与えたマルコーニ電波界の常識覆し日中でも遠距離通信可能な昼間波」を発見したのであるマルコーニにはもう一つ課題があった。立体的な構造巨大パラボラビームアンテナを簡素化したいと考えていた。そしてこれに応えたのがフランクリン技師だった。フランクリン技師は手はじめに多段コーリニアアレイアンテナ反射エレメント追加してみたが、思うほどの鋭い指向性得られなかった。そこでコーリニアアレイと反射エレメントの対をカーテン状に複数並べた平面型ビームアンテナ開発成功した。そして1923年頃よりサウス・フォアランドに平面型ビームによる波長6.09m(49.3MHz)の電波灯台建設し、ビームテストを重ねてきたのであるマルコーニ自分発見した昼間波」と、フランクリン技師開発した平面型ビームアンテナを、受注した官営無線局採用することを決めた難工事の末、まず1926年10月25日にカナダビームを開通させて郵政庁GPO引き渡し1927年オーストラリア回線南アフリカ回線インド回線完成させた。英国側のビーム局は郵政庁直営だが、対手局側のビーム局は傘下企業任された。周波数的にはカナダ回線オーストラリア回線では昼間11MHzを、南アフリカ回線インド回線では昼間18MHzとの夜間8MHzを併用した回線開業日英送信局呼出符号,周波数対手送信局呼出符号,周波数,国名カナダ 1926年10月25日 ボトミン(GBK, 11.500MHz) ドラモンドビル(CG, 11.420MHz, カナダオーストラリア 1927年4月8日 グリムズビーGBH, 11.580MHz) バラン(VIZ, 11.660MHz, オーストラリア南アフリカ 1927年7月5日 ボトミン(GBJ, 昼18.580/夜8.820MHz) クリフューヴァル(VNB, 昼18.660/夜8.900MHz, 南アフリカインド 1927年9月6日 グリムズビーGBI, 昼18.500/夜8.780MHz) カーキ(VNW, 昼18.420/夜8.700MHz, インド) こうして短波用いた公衆通信先鞭付けるという偉業マルコーニ成し遂げた世界各国マルコーニ社の特許抵触しない独自方式平面型ビームアンテナ開発し、「昼間波」と「夜間波」を併用する遠距離短波通信時代地球規模幕開けのである

※この「昼間波の発見と平面型ビームアンテナ」の解説は、「グリエルモ・マルコーニ」の解説の一部です。
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