新生GM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:49 UTC 版)
2009年7月10日、アメリカ政府が61%、残りを全米自動車労働組合(United Auto Workers、UAW)やカナダ政府などが保有する新会社が設立され、旧GMは社名を「モーターズ・リキデーション・カンパニー」に改称すると共に、新会社に優良資産等を売却する手続を完了。「新生GM」が正式に発足した。これを受けモーターズ・リキデーション(ティッカー:GMGMQ)の株価は37%急騰し、40日ぶりに1ドルを超えて終えた。なおモーターズ・リキデーションは7月15日にティッカーを「GMGMQ」から「MTLQQ」に変更している(2011年3月31日、「MTLQU」に再変更)。 2010年11月18日、新生GMは旧GM破綻前のティッカー「GM」を引き継ぎ、ニューヨーク証券取引所に上場を果たした。 2013年12月9日にアメリカ財務省は、これまで保有してきたGMの全ての株の売却を完了してGMの国有化を解消した。公的資金として投入した500億ドルのうち、390億ドルは株式の売却で回収し、残りはGMの資産の売却で回収した。 2014年1月、大手自動車メーカーでは初めての女性のメアリー・バーラがCEOに就任。 2014年2月、GMは大規模なリコールを発表。その後、このリコールに関してリコール隠しの疑惑が表面化した。バーラCEOは同年4月1日に下院エネルギー・商業委員会の公聴会に出席し、破綻以前の2001年の段階で不具合を把握したことを認めて陳謝した。 「ゼネラルモーターズ大規模リコール_(2014年)」も参照 これは、エンジンが停止してハンドルが動かなくなったり、エアバッグが作動しなくなったりして死亡事故にもつながった欠陥が存在すると知りながら、10年以上も放置していたという悪質なもので、2014年5月16日、運輸省は、制裁金3500万ドルを科した。 この欠陥が原因で13人が死亡しているとゼネラルモーターズは発表している。しかし、ロイターの調査などによると、少なくとも74人が死亡した疑いがあるとされる。ただ、ロイターの調査は、交通事故分析報告システムで、疑わしい事故を調べるという方法のため、正確なものとはならないという指摘されている。ゼネラルモーターズは、この欠陥について経営陣は把握してなかったとして、組織的隠蔽については否定している。2014年6月16日時点で、既に2014年内のリコールだけで30回以上、リコールした台数は2000万台を超えた。 2015年9月17日、リコール問題についてゼネラルモーターズは、9億ドルの罰金を支払うことで司法当局と和解した。 2017年に、ドイツのオペルとイギリスのボクスホールをグループPSAに売却し、欧州市場から撤退した。 2018年9月1日、ディビア・スリヤデバラ副社長が最高財務責任者(CFO)に昇格.GMでは初の女性CFO。 2019年9月16日、全米自動車労働組合はストライキに突入。10月25日までの6週間にわたり約4万8000人がアメリカ各地の約50拠点でストライキを行った。 2020年2月17日、ゼネラルモーターズは2020年限りでタイ王国でのシボレー車の製造・販売を終了し、また、オーストラリア、ニュージーランド市場で展開していたホールデンブランド車の販売を2021年に終了して、右ハンドル車の市場から完全に撤退することを発表した。タイのラヨーンにあるシボレーの工場は長城汽車が買収することで合意に達したことも併せて発表された。 2020年3月27日、ドナルド・トランプ大統領は、国内に広がる2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患への対策として国防生産法を発動、ゼネラルモーターズに人工呼吸器の製造を命じた。
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