文藝評論の展開とは? わかりやすく解説

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文藝評論の展開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:10 UTC 版)

小谷野敦」の記事における「文藝評論の展開」の解説

『反=文藝評論』では、村上春樹の『ノルウェイの森』や俵万智の『サラダ記念日』が刊行され1987年以降現代文学新たな恋愛幻想取り憑かれカジュアル的なセックス描写批判するとともに男女関係現実を描くリアリズム文学として、藤堂志津子佐川光晴高く評価した。『リアリズム擁護』では、田山花袋の『蒲団』に遡り赤裸々事実暴露という意味での、リアリズム系譜掘り起こしている。『私小説のすすめ』でも、自分周囲のことを書いた小説を「私小説」と定義し私小説とは流派洋の東西を問わず存在する小説形態であると主張している。また志賀直哉に始まる「心境小説」系私小説を「随筆」として否定する同時に、『蒲団以降の「暴露破滅型」私小説高く評価し、自らの成長のためには、情けないこと、苦し思い出こそ書くべきだと読者勧める私小説再評価併行するかのように文芸批評における伝記研究復権主張し、自ら作家評伝の執筆を手がけている。『片思い発見所収の「恋・倫理文学」では、文学倫理の関係を論じて作家伝記問題に及び、国木田独歩評伝ロマン派的な恋愛幻想により歪曲されていると指摘した。『谷崎潤一郎伝──堂々たる人生』では、従来自律した虚構としてその作品論じられてきた谷崎生涯論じて多く作品実生活素材として書かれていることを主張し、「松子神話」など性や恋愛をめぐる谷崎幻想超克めざした。『里見弴伝──「馬鹿正直」の人生』では、ヨコタ村上孝之ら「近代恋愛論者が、「恋愛」が西欧から輸入されたと見なしている明治以降日本においても、ポリガミックな男女関係残存していたことを、里見生涯文筆通して検証した小谷野文藝評論は、日本前近代文藝や、海外文学をも対象にしている。江戸文藝に関しては、八犬伝をめぐる論文を『日本文学』に発表した他、『八犬伝綺想』、『夏目漱石江戸から読む』等の著書がある。また、アメリカ文学論じた聖母のいない国』では、従来ロマン派モダニズム視点から語られていたアメリカ文学史を、リアリズム観点から見直すという論を展開しサントリー学芸賞受賞した。『『こころ』は本当に名作か』では、古今東西名作に独自の評価下し江戸文藝漱石ドストエフスキー価値疑問視している。 2004年書かれた『評論家入門』では、19世紀隆盛極めた小説という表現ジャンル20世紀半ばには衰退しはじめており、次に流行りそうなのはエッセイと書いている。

※この「文藝評論の展開」の解説は、「小谷野敦」の解説の一部です。
「文藝評論の展開」を含む「小谷野敦」の記事については、「小谷野敦」の概要を参照ください。

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