文壇内の揣摩臆測とは? わかりやすく解説

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文壇内の揣摩臆測

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:42 UTC 版)

文藝時代」の記事における「文壇内の揣摩臆測」の解説

東京帝国大学文学部在学中1921年大正10年2月同志らと第6次新思潮』を発刊していた川端康成は、その継承承諾第3次第4次先輩作家菊池寛から快諾され経緯があり、2号掲載した自身小説招魂祭一景」も菊池から賞揚され、それ以来川端元に菊池吹聴により寄稿依頼舞い込むようになった伊藤初代所帯持とうとした際にも住む家の心配や生活費援助されるなど、川端その後多大な恩顧菊池から受け続け幼い頃肉親亡くした自身孤独な境遇から菊池好意精神的な利益感じていた。「才能のある若い者同士」は友だちになったらいいと、当時最も期待寄せていた無名横光利一川端紹介し二人無二の親友になるきっかけ作った人物菊池であったその後菊池1923年大正12年1月に『文藝春秋』を創刊した際も、川端第6次新思潮同人横光とともに期待の新人同人として迎え入れられた。 そうした恩顧があったため、関東大震災復興後自分たちも新たな文芸同人誌を創刊したいと考えた際も、川端菊池を傷つけはしないかとずいぶん心を砕き事前に菊池了解得て同意をとった。横光も「(菊池氏は)決し悪くはお思ひなさるまいと存ぜられ候」と川端伝えていた。最も嘱望していた横光まで仲間入っていることに少なからずショック受けたとみられる菊池だったが、一抹の寂しさ感じながらも彼らの巣立ちを「一言半句反対もなし」にすぐに認めた。 その一方菊池その後今東光に対しては「君らは、明らかに文藝春秋』に損害与えじゃないか」と怒気をみせていたともされる菊池当初第6次新思潮承認の時、うぶな帝大生の川端仲間に「不良少年」として有名な東光混じっていることに難色示していたことがあった。 若手同人誌創刊認めた菊池は、川端横光らが新たな同人誌発言しすいよう配慮し、『文藝春秋9月号の編集記内で、「『文藝春秋』の編集従来とも同人本位ではないのだから、今後同人誰々だと指定しない」と書いて、同人解散宣言行なった。同誌は菊池指揮の下に菅忠雄編集担当になった。 しかし、川端横光の新雑誌文藝時代』が近々創刊されるという噂を耳にしていた文壇の間では、菊池の『文藝春秋同人解散処置見て、若い作家川端横光ら)の叛乱気配察した菊池が彼らを切り捨てた解釈したり、菊池飼い犬に手を噛まれたと揶揄したりするなど、両者の対立事件として様々な揣摩憶測広まったダダイズム系の萩原恭次郎橋爪健らの雑誌ダムダム』は、「菊池寛育ての子に脚蹴にされた」という面白半分野次まで飛ばし両者の「華々しい合戦」を期待していた。 『文藝時代』が創刊され同月の『文藝春秋10月号の誌上には、「新進作家団結云々如き創作丈(だけ)では出られない故、一緒になつて騒いで見るといふ以外に、多く意義ありや。気力薄弱自信の少きを示すことにならねば 幸甚也(こうじんなり)」という、『文藝時代』に対し揶揄的とも取れ一文掲載されるなど、二者間の「微妙な関係」が第三者的にも察せられる面もあった。

※この「文壇内の揣摩臆測」の解説は、「文藝時代」の解説の一部です。
「文壇内の揣摩臆測」を含む「文藝時代」の記事については、「文藝時代」の概要を参照ください。

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