教育アプリ「ゴールスタート」のトラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:28 UTC 版)
「スプリックス」の記事における「教育アプリ「ゴールスタート」のトラブル」の解説
教育アプリ「ゴルスタ」の運営に際して、2016年8月にTwitterなどの各種SNS上で問題視されるようになった。具体的には「運営に批判的なユーザーは即時にアカウントの凍結・退会処分を行う」「アカウント凍結処分にあったユーザーは運営に協力的な姿勢を示すなど反省文を提出することでアカウントの凍結を解除する」「一部の批判的な元ユーザーの本名・在住都道府県をゴルスタ運営スタッフの公式Twitterアカウントが意図的に書き込む」「アプリのプライバシーポリシーにクレジットカード情報を要求する文面が掲載されている」などである。 これらについて、読売新聞の取材に対し、常石博之副社長は元ユーザーの本名を意図的に書き込んだことについては「当社のミス」「担当者がヒートアップしてしまった」と謝罪した。本来会員登録には氏名の記入は必要ないが、朝日新聞の取材に対して「イベント開催時のやりとりで当該ユーザーの氏名を知った」と説明している。 またクレジットカード情報については「将来的に課金コンテンツを設置した時に備えた物」として要求していたことを認めたものの、今までに記載したユーザはいなかったと回答、同月26日付で規約を改定し文言を削除している。一方でアカウント凍結処分や反省文の提出などについては「中高生に安全・安心に使ってもらうためにこのような対応を取っている。厳しすぎるかもしれないが中高生を守るため」と話している。 なお、このアプリは同月27日にアプリストアでの公開を中止したがサービス自体は継続していた。 同月31日に企業公式サイト上で謝罪のリリースを発表、トラブル発生の経緯や担当者の減給処分、イベント開催時に氏名を取得しないなどの再発防止策を講じるほか、氏名が公表された元ユーザーに対しては誠意を持った対応を行うとした。また、「運営方針が厳しすぎる」という指摘に関しては、「中高生の安心安全が最優先」と理解を求めつつも、細部の表現については意見を受け入れ適宜見直しを検討していくとしていた。その後実態を調査した結果、一部の運営担当者に「アカウントを停止したユーザーを直ちに削除せずユーザー名を『違反-停止理由』にして見せしめ行為を行う」などのふさわしくない言動があったことを確認、9月5日付で企業公式サイト上で改めて謝罪すると共に、「社内全体の問題であり、教育を生業とする者としては今回の調査結果は大変重い」として直ちにサービスを終了すると発表した。 ITmediaの「ねとらぼ」がスプリックスの元社員に行った取材や提供された情報等によれば、メイン事業である森塾を含めたスプリックス社内で「定例会議のたびに不祥事で懲戒解雇を受けた元従業員の氏名をプリントに記載し配布する」「ネット上に自社の書き込みを行うと、特定した上で法的手段に訴える」「愚痴などネガティブな発言をした場合はその意図を追及され、昇給に響くこともある」など、元から言論統制や監視、見せしめなどの制裁が常態化していた、との事である。取材を受けた元社員は「社内でやっていることをゴルスタの運営で一般ユーザーにも向けて行っただけ」と分析している。 前述した通り、「ゴルスタ」は「ゴールスタート」の略だが、上記の騒動以後は一部で「ゴルバチョフ・スターリン」と言われていた。
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