教学局『臣民の道』とは? わかりやすく解説

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教学局『臣民の道』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:34 UTC 版)

国体」の記事における「教学局『臣民の道』」の解説

1941年7月教学局が『臣民の道』を刊行する同書については、『国体の本義』の実践的奉体を意図した姉妹編という評価通説的である。『臣民の道』は解説書含めると『国体の本義』を上回る250部が刊行されており、一般国民広く普及される。当初前年第2次近衛内閣基本国策要領」に則り、「真に国体徹した翼賛運動国民道徳」の「実践的指導書」として自我功利思想排し国家奉仕第一義とする国体具現道徳解説書刊行して、これを教職員その他の指導階級必読せしめたく」という企図であり、実践書でなく指導書という位置づけであり、対象読者一般国民でなく指導層であり、また『国体の本義』の姉妹編という意識もなかった。 編纂途中で対象読者指導層から一般国民広げることとなり、刊行計画発表時には「”国体の本義姉妹篇に 平易な臣民の道”」という見出し報じられ当局者は談話で、先の国体の本義』は一般国民読み物として難しいとの評があったが今度誰でもわかるように編纂する、と語る。教学局版の刊行後まもなく近衛文麿首相題字により『註解 臣民の道』が刊行される解題で『臣民の道』の内容次のように要約する第一章において世界新秩序建設という今日課題とりあげ世界史転換をとき、その中から皇国日本立脚する新秩序建設をといて皇国重大な使命をとき、国防国家体制確立急務をといている。 第二章こういう皇国当面している位置の上にたって皇国国体臣民の道とを解明している。「万世一系天皇皇祖神勅奉じて永遠にしろしめし給う国体と、「臣民億兆心を一にして忠孝大道を履み、天業翼賛奉る臣民の道明らかにしているのである。そうして我国においては忠あっての孝であり、忠を大本とする所に臣民の道があるのである次に国体もとづき臣民の道履践した祖先遺風をば皇国歴史上の事実から明らかにしている。皇国歴史肇国精神にもとづく国体顕現歴史であるとともに臣民の道履践歴史でもあるのである。そうして国体はなれて臣民の道はなく、天皇絶対随順奉ることをはなれて日本人の道はない。 第三章かくの如き臣民の道実践をば、現実国民課題として説いて居る。〔以下略〕 『臣民の道刊行直後教学局長官講話で「まさにこの臣民の道というものこそはこの国体本当の意味合い精神というものを我々の生活に具現することであり、我々の生活の中にこそ我が国体の姿というものを生かして行かねばならぬ生かすではない、それを践み行なう事こそ我々皇国臣民としての道」であると述べる。 『臣民の道』は4年前の『国体の本義』の姉妹篇と位置づけられるものの、その間時局進展により両書の性格大きく異なる。第1に思想統一程度異なる。『国体の本義』では「国体を基として西洋文化摂取醇化し、もって新しき日本文化創造し進んで世界文化進展貢献する」と説いていたが、『臣民の道』では欧米思想全否定し、「我が国民生活の各般において根強く浸潤せる欧米思想の弊を芟除切って捨てること〕」すると断定する。第2に忠と孝との間の関係が変化する。『国体の本義』では忠も孝も同等に扱い、「忠孝一本我が国体の精華」であり「われら国民はこの宏大にして無窮な国体体現のために、いよいよ忠に、いよいよ孝に励まなければならぬ」と説いてたが、これに対し臣民の道』は忠を孝より優先し、「そもそも我が国においては忠あっての孝であり、忠が大本である」と断言するこうした違い編纂をとりまく状況違い由来する。『国体の本義』が天皇機関説事件契機国体明徴のために編纂されたのに対し、『臣民の道』は日中戦争長期化する中で新たに大東亜共栄圏構想のために編纂されたからである。

※この「教学局『臣民の道』」の解説は、「国体」の解説の一部です。
「教学局『臣民の道』」を含む「国体」の記事については、「国体」の概要を参照ください。

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