撮影・美術・文字・3DCG
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:08 UTC 版)
「鬼滅の刃 (アニメ)」の記事における「撮影・美術・文字・3DCG」の解説
水の呼吸や雷の呼吸、ヒノカミ神楽などの呼吸の表現では撮影処理にて効果線に修整・加工を入れて墨で描いた表現に見えるよう処理している。一部の血鬼術に使用される演出効果もCGで制作した素材を撮影処理で修整して作画になじませる手法がとられた。水の呼吸の撮影処理は登場する度にその話数の演出に合わせた表現方法となっており、過去に制作した演出効果を流用せずにカット毎に合わせて独自に作成したものとなっている。 美術では、ufotable作品の背景美術はこれまで写真のような写実的・現実的な美術を描いていたが、本作の背景美術では外崎より「キャラクターと同様に主線を出していきたい」という希望をもとに、原作の持ち味が活きるように登場人物の輪郭線の太さに合わせて美術にも筆のような太い輪郭を入れることで、写実的な背景を採用しつつも手描きの雰囲気を強調した骨太な背景美術を描いている。ufotable作品では空や雲をCGで描くことが多いが、今回は日本らしい和の風景を描くために基本的に手描きで描かれており、夜空の色彩はこれまでのufotable作品で主流だったブルーやシアン系の色彩から、大正時代をイメージして霞んだグレーを基調にしている。コメディシーンでは近年のufotable作品ではあまり使用されてこなかった流線背景(イメージ背景)を使用している。 美術に関しては、今作でもこれまでのufotable作品と同様に、ufotable美術部とufotableデジタル映像部(撮影・CG)が連携して手描き背景とCGが組み合わされた背景美術を制作している。鼓屋敷や無限城などの動きのある背景美術は美術部とデジタル映像部が共同作業で制作しており、どのような角度から演算処理をしても違和感のないように注意して制作されている。また、第1話では視聴者に大きな印象を残すためにufotableらしい写実的な背景にしたいと外崎が希望し、実際に雪山でロケハンを実施。そこで得た資料写真や芝居映像をもとに美術とCGで雪山を描いている。 登場人物などの紹介に使用されている書体は昭和書体の書家の綱紀栄泉(本名:坂口綱紀)によるもの。 3DCGでは外崎の原作の筆遣いや表現を生かしたCGにしたいという要望から、写実的なCGを多用していたこれまでのufotableらしい画面は残しながらも、作画のアニメーションに寄せたアニメ調なCG作りが行われ、水の呼吸の白波をアニメ調のCGで制作したことで本作の3DCGにおける方向性が決められた。本作ではufotable作品としては珍しく、主要な登場人物のCGモデルも制作されており作中で使用された。これにより、作品全体の質と作業コストの均衡をとりつつ、これまでのデジタル映像部の技術を生かしたアニメーションづくりが実現した。 水の呼吸は作品の準備段階に当たるプリプロダクションの序盤に3D監督の西脇が3ds Maxを使用してビジュアライズの試作を作成。そこからモックオブジェクトとなるプレビュー映像を更新しながら、どこまでを作画で表現するかなどが話し合われた。また、テレビアニメ第1期で使用されるCGカットはその多くが3ds Maxと多数のプラグインにより作成された。最終話に登場する無限城は、「方向感覚を失うような特殊な舞台」を活かした映像表現を実現させるため、背景美術を3ds Maxで制作。このパートの一連のコンテ・演出等の映像演出を寺尾優一が率いるufotableデジタル映像部が制作した。無限城のCGモデルはデジタル映像部所属で無限列車のCGモデルも担当したデジタル映像部の岩田宗一郎が担当。このCGモデルが使用された下弦の鬼の粛清パートは、シーンの一連のカメラワーク設計をデジタル映像部の佐藤号宙が担当。原画はufotableアクションアニメーターの木村豪が担当した。
※この「撮影・美術・文字・3DCG」の解説は、「鬼滅の刃 (アニメ)」の解説の一部です。
「撮影・美術・文字・3DCG」を含む「鬼滅の刃 (アニメ)」の記事については、「鬼滅の刃 (アニメ)」の概要を参照ください。
- 撮影・美術・文字・3DCGのページへのリンク